新年あけましておめでとうございます。
2012年の6月6日"六本木の日"にスタートした六本木未来会議は、2023年6月には13年目に突入します。今年は、コロナの影響も徐々に薄まり、デザイン&アートを肌で感じられる機会が更に増えていくことと私たちは予測しています。これまで以上にたくさんの情報をみなさまにお伝えできる、そんな年でありますように。
さて、今回は、新年のごあいさつとして、年初めにぴったりな6冊をご紹介します。六本木未来会議に出演したクリエイターがおすすめする、クリエイションのスイッチを押す書籍の中から、普遍的なテーマをポジティブな視点からとらえ、新しい気づきをもたらしてくれるヒントがつまった本を選定しました。気になるものがあれば、ぜひチェックしてみてください。
2023年が、みなさま一人ひとりにとって、クリエイティブな年となりますように。
六本木未来会議編集部 2023年1月
鬼頭さんのコメント(抜粋)
著者であるホックニーの独自の見方による絵画論が詰まった一冊で、扱うものは絵画だけではなく、写真や映画のスチル写真・デッサン、テレビなど、様々な「画像」の歴史と芸術の関連性が語られているんです。
現代美術の第一人者デイヴィッド・ホックニーが美術批評家のマーティン・ゲイフォードとの対談を通して、絵画表現の本質に迫る一冊。議題にあげる絵画表現は、「画像(picture)」の定義をもとに、絵画だけでなく、時代や地域の枠を超えた地図、版画、写真、映画などのあらゆる画像が登場。掲載図版は310点。それぞれの歴史を紐解きながら、画像の見方、可能性を提示する。
福原さんのコメント(抜粋)
アートの力で何ができるかとか、自分はなぜアーティストとして活動しているのかを考え直してみたくて、そういう時は、アートが持っている力をポジティブに語ってくれるような本がいいかなと思い、手に取りました。
東ドイツ出身の著者は、現在はアメリカを拠点に活動していて、戦後ロシア・東欧の前衛芸術をはじめ、コンテンポラリー・アートに精通している美術批評家。本書の英語版の出版は2008年。2017年、邦訳版の出版を機に来日したことでも話題になった。アートはどこから来て、どこへ向かおうとしているのか、現代社会と芸術のあり方について論じた一冊。
長谷川さんのコメント(抜粋)
文化人類学はアートを包摂しているので、考え方としていいヒントになるものが多いです。
世の中のさまざまな「あたりまえ」の外へと出ていくための「思考のギア(装備)」。文化人類学の思考法を、具体的なトピックに沿って解説している。
小林さんのコメント(抜粋)
日常を生きること、年を取るってこと自体が旅であり、冒険だよねって、人生の先輩に言ってもらえるとすごく勇気がわくんです。ちょっと暗い気持ちになった時に、ふと開く一冊です。
「老い」や「独りの暮らし」について豊かに説くメイ・サートンの詩集。最後の詩集となった『八十歳を迎える』から厳選された22篇を収録。小説家・詩人としてのサートンの真髄に触れることのできる作品となっている。
松島さんのコメント(抜粋)
僕たちはもやもやすると日々の生活の中で近視眼的になっていくので、本書のように視座を広げるものを読んで、全体の解像度を意識的に上げることが大切。その点、翻訳書は「人類」や「ホモサピエンス」といった大きなスケールの主語から文明論を語るようなものが比較的多く、大好物ですね。
"性悪説"で動いてきた近現代の社会思想。そしてそれを裏付けるような、スタンフォード監獄実験をはじめとする、悪名高い心理学実験や人類学の調査。はたしてこれらは本当なのか。著者が世界中を飛び回り、エビデンスを集めて結果に辿り着く、意外な結果とは。
南條さんのコメント(抜粋)
大学生だった当時に読み、これまででもっとも影響を受けた本の中の一冊です。
著者が皿洗いの仕事をしながら、大英博物館の図書館で書き上げ、1956年にイギリスで出版されるやベストセラーとなり、さまざまな国で翻訳されている本書。ヘミングウェイ、サルトル、ドストエフスキー、ゴッホなどを例に"アウトサイダー(疎外者)"が語り尽くされています。
その他の書籍もチェックしたい方は、デザイン&アートの本棚をチェックしてみてください。あなたにぴったりな一冊が見つかるかもしれません。