2017年3月31日、21_21 DESIGN SIGHTが10周年を迎えました。この節目の年にあたり、従来の展示空間に加えて「ギャラリー3」を新たにオープン。一般公開前日の3月30日に行われたプレスプレビューを取材してきました。
「ギャラリー3」ができたのは、それまでカフェが出店していた、正面向かって左側の棟。ギャラリーの広さは約110平方メートル、天井高は4.3メートル。オープンにあたって、床に御影石を敷いてテラスとの段差をなくすなど改装を施したそうです。
記者会見には、ディレクターを務める佐藤卓さんと深澤直人さん、アソシエイトディレクターの川上典李子さんらが登壇。それぞれの言葉で、21_21 DESIGN SIGHTの10年とこれからを語りました。
まずは10周年を機に館長に就任した佐藤さんがごあいさつ。21_21 DESIGN SIGHT誕生前に遡って、これまでを振り返りました。
「今から13年くらい前、三宅一生さんからお呼びがかかったんです。まだ何も決まっていない頃。デザインミュージアムをつくるために何をやるべきか一緒に考えてほしいと言われ、戸惑いましたが、今までになかった可能性を感じました」
続いての深澤さんの話では、今回、スタッフのユニフォームを新調したことにも触れられました。
「今日、皆さんにお伝えするべきことが4つあります。10周年を迎えたこととギャラリー3のお披露目、そして佐藤卓さんが館長に就任したこと。あと、私が21_21 DESIGN SIGHTのユニフォームを着たということです(笑)」
おそらく照れてなかなか袖を通さなかったのでしょう、「着たらスタッフが喜んでくれた」と深澤さん。
今後、ギャラリー3では、世界各国の企業やデザイン関係者、教育・研究機関などと連携し、実験的なプログラムに取り組んでいくとのこと。企画展と連動する可能性もあれば、これまでにない展示を行う可能性もあり、その動きには注目が集まりそう。
4月・5月は、オープニング企画として、「日常、デザイン、社会」を考える「オープンカンバセーション」を毎週金曜日に開催。その内容は、田根剛さんや菱川勢一さん、齋藤精一さんなどのクリエイターをスピーカーに迎えて語り合う、来場者参加型のディスカッションだそうです。こちらも楽しみですね。
記者会見のあとには、テラスで来場者に飲み物が振る舞われ、ドリンクを片手にみなさんが談笑する場面も。桜がほころび始める中、晴れ晴れとしたみなさんの表情を目にして、見ている私もいい気分に。
ちなみに、21_21 DESIGN SIGHTの先にあるミッドタウン・ガーデンの芝生広場では、屋外インスタレーション「江戸富士」を開催しています。こちらはプラントハンターの西畠清順さんが制作、夜間は村松亮太郎さん率いるNAKEDによるプロジェクションマッピングの演出も(3月17日(金)~4月16日(日)18:00~21:00)。
ギャラリー3のオープンに富士山などなど、春の六本木はデザイン&アートのトピックが目白押し。今週末には見頃を迎える桜を愛でながら、ぜひ楽しんでくださいね。
編集部 飯塚