東京を代表するアートの祭典「六本木アートナイト 2017」が9月30日(土)と10月1日(日)の二日間に渡って開催されました。
今年のテーマは「未来ノマツリ」。メインプログラム・アーティストの蜷川実花さんによる色鮮やかな作品を中心に、デザイン、音楽、映像、パフォーマンス等が六本木の街に点在した非日常な的な一夜限りのイベントは大いに盛りあがりを見せました。
レポートの後編をお届けします。(前編はこちら)
六本木ヒルズ周辺では、至る所にインスタレーションが登場。
毛利庭園では、「サンシャワー:東南アジアの現代美術展」で森美術館で展示中のフェリックス・バコロールさんによる「荒れそうな空模様」が木々と一体となって展示されていました。色鮮やかなプラスチック製の風鈴が庭園の中で自然の風に揺れる様子は、室内での展示とはまた違った美しさがありました。
ウェストウォークの中に入ると、まず目を引くのがこちら。江頭誠さんによる「suit」。ロココ調の花柄毛布とスーツで、私たちの日常に無意識の内に溢れている西欧文化を意識させようという考えが巧みに表現されています。同じ柄のスーツに身を包み、インスタレーションの一部として記念撮影をすることができました。
続いて、ryo kisihi「dis:play(bias)」。色彩と動きの表現に特化した映像投影装置です。平面の動きと色の変化によって、"映像の彫刻"が作り出されます。
建物の中に進むと、カラフルなガラスや鏡を用いた大型床面インスタレーションが現れました。上から見ると、まるで万華鏡のようにキラキラと美しく、近寄って見るととても緻密で繊細に作られています。こちらは、スーザン・ドラメンさんの「新作インスタレーション」で、今回が日本で初めての展示だったそう。
ヒルズアリーナに出ると、今回のメインプログラムである蜷川実花氏の「Tokyo Followers 1」が登場。こちらの作品は六本木ヒルズ、東京ミッドタウン、国立新美術館をつなぐインスタレーション作品で、東洋と西洋のモチーフが混ざり合う混沌とした世界観が体現されています。実際に中に入ることができ、注目のフォトスポットとして多くの人が列をなしていました。また蜷川氏が演出をしたオープニングアクト「TOKYO道中」もこちらのメインステージで繰り広げられました。
日が暮れると、六本木ヒルズ66プラザでは、マルチメディア・デザイン・スタジオ「エネス」による「ソニック・ライト・バブル」の周りに多くの人だかりが。バルーンの表面に触れると振動や光、音が変化し、子どもから大人までが楽しむ様子が伺えました。
六本木通りに面した歩道には、アーティスト・コレクティブの「国立奥多摩美術館」が「国立奥多摩美術館 24時間人間時計〜アジア編〜」と題して、人が時計の針を表し、24時間刻み続けるパフォーマンスに挑戦。深夜になってもその衝撃的な挑戦には注目が高く、人だかりが絶えませんでした。
今年日本に上陸、オープンした注目のギャラリー「PERROTIN」にも足を運びました。今回はイタリア人アーティストPaolo Piviさんの個展が開催。入り口にはポーラ・ベアたちがお出迎え。その身体にはふわふわとした羽が付けられ、存在感がありながらも、軽やかな姿に惹きつけられます。ギャラリーがガラス張りになっているので、多くの人が立ち止まり、中の様子を伺っていました。
六本木未来会議では、ミッドタウン・ガーデンで「森の学校」を開校。昼の部の講師に川田十夢さん、夜の部の講師に落合陽一さんを迎え、六本木アートナイト限定の特別授業を実施しました。
詳しくは10月18日公開予定のプロジェクトレポートをご覧ください。緑の匂いが感じられる自然に囲まれた授業の様子をお届けしますので、お楽しみに。
六本木の街全体を巻き込んだ、アートナイト。たくさんの人がアートに触れる様子は、「デザインとアートと人をつなぐ街」としての六本木が垣間見れたような気がしました。年に一度のアートの祭典、来年にも乞うご期待です。
information
「六本木アートナイト 2017」
会場:六本木各所
会期:9月30日(土)〜 10月1日(日)※終了しました
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://www.roppongiartnight.com