東京ミッドタウン・デザインハブでは現在、「日本のグラフィックデザイン2017」が開催されています。本展示では、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が毎年発行している、 年鑑『Graphic Design in Japan』2017年版に掲載されたポスターやロゴ、商品パッケージや映像、空間デザイン、書籍などが展示されており、グラフィックデザインの現在を知ることができます。そして、JAGDAには、六本木未来会議にも登場した原研哉さんや佐藤卓さんなど、日本を代表する多くのグラフィックデザイナーが所属しています。
会場で見ることができるのは、年鑑に掲載されている約570作品のうち、さらに厳選された300点ほど。全作品の中から最も優れた作品とその制作者に贈られる「亀倉雄策賞」や、カテゴリーごとに優れた作品に贈られる「JAGDA賞」の受賞作品も紹介されています。
JAGDA賞受賞作品の中でも、音声が流れておりひときわ注目を集めていたのは、えぐちりかさんの映像作品『春風のいたずら』。洋服が風に派手にあおられ、下着が見えることを気にも留めず堂々と歩くモデルの姿は潔く、そして美しいものでした。
続いてパッケージデザイン。こちらの原研哉さんが手がけた日本酒『八海山』は、朱い判子が特徴。サイズも形も字体もバラバラながら、ただ目立つだけではなく、不思議と調和が取れています。
書籍もずらり。どれも本の内容が気になってしまうくらい興味をそそられる装丁です。
力強くシンプルな線に目を奪われるこちらの一枚は、中村至男さんが手がけたものです。特徴的な横顔は国語の教科書で見たことがあるような気が。誰が描かれているのか、答え合わせはQRコードから。ぜひ会場で答え合わせしてみてください。
こちらは、21_21 DESIGN SIGHTで昨年行われた『土木展』という企画展のグラフィックを手がけた柿木原政広さんの作品です。重機が並べられたマスキングテープが可愛らしいですね。
JAGDA賞の複合部門での展示は、『TORAYA CAFÉ・AN STAND』のアートディレクションおよびクリエイティブディレクションを行った葛西薫さんです。デフォルメされた二匹の虎が存在感を放っています。
こちらは以前、葛西薫さんとの対談記事で登場してくださった廣村正彰さんの自身の展覧会のポスターです。視点を変えることで見ている風景を問い直す、という展覧会のコンセプトをこのポスターが体現しているようにも感じます。
そして、今年の亀倉雄策賞を受賞したのは、以前インタビューにも登場した渡邉良重さんです。こちらの作品は洋菓子ブランド『AUDREY』の商品パッケージ。鮮やかな色彩と独自の世界観に惹きつけられます。渡邉さんは「永い時間にも耐えられる色褪せないデザインをしたい」と受賞のことばで語っています。お菓子を食べた後も、ずっと大事にとっておきたくなるようなパッケージですね。
こちらの展覧会の会期は8月6日(日)まで。会期中、トークイベントも開催されますので詳しくは下記の公式サイトをご覧ください。
information
「東京ミッドタウン・デザインハブ第67回企画展 日本のグラフィックデザイン2017」
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:6月17日(土)〜8月6日(日)11:00〜19:00 ※会期中無休
入場料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://designhub.jp/exhibitions/3031/