六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」、2016年に開催した「六本木未来会議BOOKキャラバン」でも展示したものです)。
今回は、泉麻人さんが選んだ『日和下駄』(著・永井荷風 講談社文芸文庫)
泉さんのコメント
永井荷風さんの本は、若い頃はあまりピンとこなかったんですが、歳を重ねてから改めて読んでみると、なんて面白いんだと(笑)。『日和下駄』は大正時代にまさに日和下駄を履き、蝙蝠傘をもって東京を歩き回った荷風さんの日記で、東京都心の複雑多様な地形に基づく狭い道や起伏のある坂道の面白さを本当に素晴らしい描写で書かれています。これを読んでから僕自身、日々街歩きする中で、ときどき頭の中に荷風さんの描写が浮かぶことはあります。ちょっと教科書的な存在ですね。
1908年に発表した短編小説集『あめりか物語』で人気を集め、数多くの作品を残した東京都文京区出身の小説家、永井荷風。そんな彼が東京を散策しながら記した随筆集『日和下駄』は、1915年に発表されました。「第一 日和下駄」「第二 淫祠」「第三 樹」「第四 地図」「第五 寺」など11の章立てで、江戸の面影を綴っています。
泉麻人さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #82
泉麻人さん(コラムニスト)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/82_01/