PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#08 六本木ブックフェス by 幅允孝【後編】

update_2015.10.7 / photo_chikako murabayashi / text_yosuke iizuka

読んで、聴いて、触れる。六本木で、自由に読書に親しんだ5日間。

芝生の上に敷いたレジャーシートの上で、クリエイターがセレクトした本を読んだり、作家や詩人の朗読に耳を傾けたり......。2015年9月19日(土)から23日(水・祝)、シルバーウィークに開催された、読書の祭典「六本木ブックフェス」。本にまつわる多彩なプログラムが行われ、延べ2,000人以上が参加したイベントの様子をレポートします。

クリエイターおすすめの本が50冊以上「デザイン&アートの本棚」。

芝生広場の一角には、六本木未来会議に登場したクリエイターがおすすめする一冊が並んだ「デザイン&アートの本棚」が。本のしおりには、クリエイターからのコメントが添えられています。たとえば、幅さんがおすすめする『習得への情熱 ―チェスから武術へ―』(ジョッシュ・ウェイツキン著 吉田俊太郎訳/みすず書房)に付けられたのは、こんな言葉。

「著者は、映画『ボビー・フィッシャーを探して』のモデルにもなったチェスの天才児。そんな彼が、あるとき出会った太極拳を学ぶうち、チェスと太極拳が深い部分でつながっていることに気づきます。そして武道を極め、太極拳でも世界チャンピオンに。スポーツ選手がよく言う『ゾーンに入る』という状態とはどういうことなのか? そんなことを研究して、『ゼロから何かを習得する技術』をメソッド化した一冊です」

47都道府県をテーマに幅さんがセレクト「日本の本棚」。

その隣には、不思議な形に積み上げられた本棚も。並んでいるのは、「北海道の本」「大阪の本」などと書かれたカバーがかけられた本。そう、これは47都道府県をテーマにセレクトされた「日本の本棚」。カバーの色は各地方を表していて、本棚の形は日本列島を模しています。

『佐賀のがばいばあちゃん』(島田洋七/徳間書店)、『木村伊兵衛の秋田』(木村伊兵衛/朝日新聞出版)など地名がタイトルに入っているものから、『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦/角川グループパブリッシング)、『かくかくしかじか』(東村アキコ/集英社)といった、その土地が物語の舞台になっているものまで。マンガや小説、オールジャンルから幅さんが選んだ本がたくさん。

子どもから大人まで楽しめる本のバスケット「秋の本棚」。

「お弁当の秋」「科学の秋」「カレーといえば秋?」などなど、レジャーシートが入ったバスケットの中には、一つひとつに「○○の秋」というテーマに合わせた本が3冊。幅さんいわく、その内訳は「誰でも気軽に読めるよう、わかりやすい本と、読みごたえのある本と、ものすごくわかりやすい本」。テーマは同じながら、子どもから大人まで楽しめるようにセレクトされています。

見知らぬ誰かと本を贈り合う「ブック・ジャーニー」。

おすすめ本を持ち寄って、誰かのお気に入りの1冊と交換する「ブック・ジャーニー」というプログラムも行われました。持ってきた本は、表紙が見えないようにラッピング、おすすめコメントを添えて"旅立たせ"ます。

「恋をして、失恋して。泣いて泣いて。そんな時に読む本だと思います」「立ち食いそばの名店100 見てるとお腹すきます」「高校生の時に読書感想文を書くために読んだ本です! 読書が苦手な私にも読めました♪」。

添えられた言葉は、本の内容がダイレクトにわかるものもあれば、想像をかき立てるものも。ここから、1,000冊以上もの本が、新たな読み手のもとに旅立っていきました。

ブックマーケットにワークショップ、本の楽しみ方はいろいろ。

20日(日)・21日(月)には、三田修平さんによる移動式本屋さん「BOOK TRUCK」が登場し、本のマーケットを開催しました。ちなみに三田さんは「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」で幅さんとともに働いていたこともある、六本木に縁のある方。

22日(火)・23日(水)には、製本を手がける会社、栄久堂や凸版印刷によるワークショップも開催。「中綴じ」と「和綴じ」という造本の技術を使って、オリジナルノートをつくるこちらのプログラムには、子どもから大人まで70名以上が参加してにぎわいました。

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