PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議 アイデア実現プロジェクト#10「六本木未来会議BOOKキャラバン by 服部滋樹」【後編】

update_2016.6.15 / photo_chikako murabayashi / text_yosuke iizuka

あらゆる場所に出向いて、本の新しい可能性を探っていく。

今年2月、服部滋樹さんのクリエイターインタビューをきっかけにスタートした「六本木未来会議BOOKキャラバン by 服部滋樹」がいよいよ実現しました。2016年5月28日(土)には完成した「移動式本棚」のお披露目イベントを開催。六本木未来会議に登場したクリエイターのみなさんが推薦した本を並べてミッドタウン・ガーデンに設置、誰でも自由に本を読めるようにしたほか、本棚を使ったワークショップも行いました。その様子をお届けします。

前編はこちら

実は古くからある、街なかに何かが突然現れるというアクティビティ。

こちらが完成した「移動式本棚」。服部さんが設計し、grafの工房で製作を行いました。自転車と本棚が合体したようなデザインで、設計の大きなポイントは「かわいらしさ」だと服部さん。

「フレームと車輪は白でまとめて、そこにウッドのシェルフを付けました。高さは一般的な人のアイレベル、だいたい1,550ミリくらいに収めて、棚に並べた本が目に入りやすいようにしています。この一輪タイプのほかに、バックパック型の本棚も検討してたんやけど、それだと背負う人の個性が出過ぎるでしょう? 全体的にかわいらしい感じに仕上げて、人が立ち寄りたくなるような本棚をめざしました」

裏面には黒板が設置されています。これは移動先で「会議」ができるようにというアイデアから。黒板は取り外し可能で、棚に付け替えることで本棚の容量を増やすことが可能です。

「当たり前ですけど、本棚ではなく本が主役なので、棚も(表紙を見せて陳列する)フェイスアウトができるタイプを用意しています。容量はだいたい100冊くらい。このサイズ感なら書店や図書館の中に置くこともできるし、100冊くらいがテーマ別に編集して本を並べられるちょうどいいボリュームなんじゃないかな。今並んでいるのは、『デザイン&アートの本棚』としてクリエイターのみなさんが推薦してくれた本。つまりこれが六本木未来会議の"人格"を表しているんです」

「日本人って、実はこういうアクティビティに慣れているんですよ。古くはおそばやお寿司も移動しながら販売していたくらい。今でも、屋台や移動販売ってよく見かける。だから、街なかに突然本棚が出現しても、きっと受け入れられるやろうなと思っています」

ちなみにこの日は移動式本棚を東京ミッドタウンの芝生広場に設置。棚には「デザイン&アートの本棚」で紹介しているクリエイターおすすめの書籍を並べました。服部さんが言うように、多くの人が自然に本を手に取って、芝生の上で自由に読書を楽しんでいました。

こちらの親子は、本棚から何冊かの絵本をチョイス。「絵本があると子どもたちが落ち着いてくれるから、そういう点でもこういう本棚があるのはうれしいですね(笑)」とのこと。そのほか、じっと棚を眺める人、気になった本を次々と借りていく人、立ち読みする人など、その使い方はさまざま。

「移動式本棚」を、道具として使いこなしていく。

「この本棚はどこへでも移動させることができます。もちろん僕も実際に運んでみましたが、ちょっとコツが必要。今では『あらよっと』っていう感じでスイスイ運べますけどね(笑)。僕らは『便利』という機能性に束縛されているところがあるんです。本来、道具は慣れて使いこなしていくものだから、この本棚をどう使っていくのか、ぜひ習得してほしいですね。あとはフラッグをもう少し大きく、高くしたい。旗ってコミュニケーション手段として重要なんですよ。移動先で『ここに本棚があるよ』って、しっかり伝えられるといいなと思います」

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