PROJECT REPORT インタビューで得たクリエイターのアイデアを、リアルな場で実現する「アイデア実現プロジェクト」

六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#04 森の学校 by 六本木未来会議【後編01】

update_2014.12.3 / photo_chikako murabayashi / text&edit_yosuke iizuka

「森の学校 by 六本木未来会議」イベントレポート01
心地よい秋風の中、"先生"たちは穏やかに語りはじめる。

「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2014」の中で行われた、「森の学校 by 六本木未来会議」。1コマ90分の授業が各日4限ずつ、合計4日間にわたって開講されました。本やカメラなど身近なものから、手旗信号やピクニックなどちょっと変わったテーマまで、授業の内容は実に多彩。第1回のレポートでは、2014年10月25日(土)、26日(日)の様子を、先生方のコメントと写真でお届けします。まずは1日目の授業からどうぞ!

本は、著者と読み手を一対一の関係にしてくれる。
〈読書〉「Book Party」幅允孝先生

「最近、本から答えを求めようとする風潮があると思います。仕事に役立ったり何か得をしたりと、本の値段×読書時間分の利益を得ようとするような。そうすると、どうしても『この本を読むと5kg痩せます』というような即効性ばかりをうたった本が増えすぎてしまう。でも、損得で手にしないほうが、本と長く付き合っていけるんです。僕の場合、答えではなく新たな疑問を得て、考え続けるための駆動力をもらうのが本だ、と思っています」

授業の前半で幅さんが本について最近思っていることをじっくり語ったあとは、参加者が持参した「お気に入りの本」を1人90秒でプレゼン。「自分の言葉で紹介するということは、本を血肉化するということなんです」と幅さん。授業の最後は、こんな言葉で締めくくられました。

「今日紹介された本を、ぜひ書店で手に取ってみてください。読む前から情報が入りすぎてしまうネットとは違って、実際にパラパラとめくることで、著者と読み手が一対一の関係になれます。もしそこでピンとこなくても大丈夫。本は、いつでも待っていてくれますから」

環境は常に変化していく。生命と地球の"共進化"。
〈環境〉「生きた地球に触れる」竹村真一先生

地球の様子を映し出すインタラクティブ・デジタル地球儀「触れる地球」を使って行われるはずだった竹村真一さんの授業は、太陽の光で映像が見づらいため、急きょ、講義形式でスタート。「森」というワードから、話はどんどん広がっていきました。

「実は僕たちの存在そのものが、森との関わりで成り立っています。地球で大きな樹木が育ちはじめたのが、だいたい5000万年前。我々の祖先は肉食獣に捕食されないように、木の上で暮らすようになりました。枝を掴むために手が発達し、さらに枝から枝へ飛び移れるよう、立体視もできるようになっていった。僕たちの生物としての特徴は、森との共生の中で生まれていきました」

「人間は森と共生してきたし、自然は確かに大切なものです。でも、都市は地球にとって悪いものなのかというとそうではない。かつて地球の大気に満ちていた二酸化炭素を利用して植物が酸素を生み出し、酸素をうまく使うことで動物は進化してきた。生命は、かなりクリエイティブに、地球とコラボレーションしながら生きてきたんです。人類はまだ幼年期で地球に負荷をかけているけれど、地球を"改造"するのはある意味では自然なこと。地球と共進化しているという視点が、ここ数十年で得られた画期的な成果です」

まずは好きな音を楽しむことからはじめよう。
〈発見〉「地球を叩く」山口とも先生

写真のような、奇抜な格好で音楽を奏でながら登場した"ともとも"こと山口ともさん。参加者の待つ会場に着くなり「脚が上がらなくなってきましたよ、途中で......」とボヤいて、会場はひと笑い。履いていた缶は、キムチが入っていたものを再利用したそう。

「授業のタイトルは『地球を叩く』としましたが、"地球にあるもの"を叩くということでしょうか。そういったものをいかに楽しむかということで授業をやらせていただきます。今日は私が持ってきた楽器のいろいろな音を聴いていただいてから、ペットボトルのシェーカーをみんなでつくって演奏したいと思います」

用意された楽器はどれも、廃材を利用してつくられたもの。それらを使って、さまざまな音色を次々と奏でていく山口先生。

「どれも、正しい音階が鳴るようにはつくっていません。正しい音にすると曲を演奏しなくちゃいけない。そうすると練習しないといけないじゃないですか。譜面が読めないとダメ、とかね。そうじゃなくても、音を楽しむことを大切にして、自分が気に入った音ばかりを並べてみる。そういうことがとても楽しいんです。どう叩いても間違いじゃない。そういうことでいろんな楽器をつくっています」

演奏のあとには、ペットボトルやフィルムケースを加工して楽器をつくるワークショップが。最後にみんなでつくったペットボトルシェーカーを持って「ドレミの歌」を演奏しました。

「最初に言ったように、地球にあるものはなんでも叩けば音が鳴ります。自分が気に入った音を死ぬまでにいくつ発見できるかが楽しい人生につながっていくと思いますので、ぜひ探してみてください。みなさん本当にありがとうございました。またね〜」

どんな夢でも、書いておけばいつか形になる。
〈妄想〉「『夢』を企てる」 遠山正道先生

「夢っていうと立派なものを想像しがちだけど、もっと気軽に考えてもらいたいんです。夢を『企て』たり、『捏造』したりね。そういう"夢の時限爆弾""タイムカプセル"みたいなものを持っておくと、いつか使えるときがくるんだよね。何かやりたいけど何をやっていいかわからないことってあるでしょう? そんなときに、やりたいことを紙に書いておけば、思い出せる。自分で自分に魔法をかけるんです。今日はそんなワークショップをやりたいと思います」

「私、こうして話すときに『四行詩』っていうのを伝えるんです。『やりたいということ』『必然性』『意義』『なかったという価値』の4つ。たとえば何かをはじめようとするとき、この4つに照らし合わせて考えると、本当にやりたいことかどうかがわかるんです」

そんな言葉から始まった遠山さんの授業。自身が「Soup Stock Tokyo」などのビジネスを立ち上げたときの話を交え、「夢」についてさまざまに語りました。

その後、参加者には裏が白紙になったトランプが配られ、そこに「やってみたいこと」をそれぞれ書いていきます。それを回収して、ランダムに読み上げていく遠山さん。「新しいストレッチを開発」「英語を話せるようになりたい」「夫婦仲良く」などなど......。最後は、それぞれに遠山さんからのアドバイスも。

「自分が書いたカードは持って帰ってくださいね。そして将来、ここに書いた夢がいつか実現するかもしれませんよ」

INTERVIEW

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