現在、東京ミッドタウン・デザインハブで開催中の「日本のグラフィックデザイン2014」。先日、この企画展を巡る六本木デザイン&アートツアーが行われました。
ガイドは、アートディレクターの永井一史さん。サントリー「伊右衛門」、トヨタ「LEXUS」のアートディレクションを手がけていることでも知られ、HAKUHODO DESIGNの代表も務めています。
まず最初に、永井さんから今回の展示についてのレクチャーが。テーブルの上にあるのは、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)の年鑑「Graphic Design In Japan」2014年度版。今回の企画展は、この書籍の発行を記念して行われたもの。
JAGDAが毎年表彰している各賞の受賞作も展示されていて、これまで六本木未来会議に登場したクリエイターの名前も多数。葛西薫さんや佐藤卓さん、先日インタビューが公開されたばかりの、キギの植原亮輔さんなども受賞していました。
さて、ギャラリーツアーは、葛西薫さんのポスター「ヒロシマ・アピールズ」からスタート。こちらは、もっとも輝いている作品と作者に贈られる「亀倉雄策賞」を受賞したということもあって、永井さんも「最初から時間を使いすぎちゃったかな」と言うほど、じっくりと語ってくれました。
原研哉さんの作品「HOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITION」の前では、「説明するのが難しいんですが、簡単に言うと......お台場・青海駅前の特設会場でやった大きなイベントです」と、今度は本当に簡単な説明が(笑)。もちろんその後、詳しく解説してくださいました。
さらに、ポスターやプロダクト、本、映像などなど、およそ1時間にわたって、会場内のさまざまなジャンルの作品を鑑賞&解説。コンパクトな会場ながら、およそ300点の作品が展示され、見応え、聞き応えのあるツアーとなりました。
ツアーの最後には、質疑応答も。ある学生さんは、伝統工芸をデザインの力で広めるという起業プランを相談。すると永井さんからは、「JAGDAでもやっている人は多いですね。ここに来ればなんとかなりますよ」との力強い回答が!
そのほかにも「日本のグラフィックデザインの特徴は?」「地方のクリエイターはどう活躍している?」など、気になる質問がいくつも飛び出しました。
終了後、参加者の女性2名に感想を聞いてみました。こちらのおふたりは、永井さんが教鞭をとる多摩美術大学の学生だそう!
「六本木未来会議のウェブサイトを見ていたら、永井先生の名前を見つけて参加しました。まだ1年生で、先生の講義はあまり受けたことがないんですが」(佐藤優芽さん、左)
「前に受けた大学の授業では、ご自分の作品を題材にしていましたが、今日はいろいろな人の作品を解説しているのが新鮮でした。課外授業みたいで楽しかったです!」(佐藤彩乃さん、右)
旬のデザインが詰まったツアーレポート本編は、7月16日に公開予定。どうぞお楽しみに。
編集部 飯塚