現在、東京ミッドタウン・デザインハブでは、「私の選んだ一品 - 2017年度グッドデザイン賞審査委員セレクション」を開催中。展示されているのは、日本を代表するデザインアワードである、グッドデザイン賞の審査員一人一人のお気に入りや気になった受賞作=「一品」たち。
これまで六本木未来会議にも登場していただいた永井一史さんや柴田文江さん、斎藤精一さんをはじめ、建築家や研究家、ジャーナリスト、企業経営者ら82名の審査委員の選りすぐりの受賞デザインが並んでいます。
受賞デザインには、それぞれ、選出者の一言コメントが日本語と英語で添えられています。写真はプロダクトデザイナー 片岡哲さん選のナカバヤシ株式会社の「PACATTO チャージ & パカット」という鉛筆削り器。デザインだけでなく、実際の使用時の快適さが選出の鍵となったようです。無機質感のない柔らかい曲線が、愛らしい印象にしています。
一言コメントのほかに、実際の使用例が写真付きで紹介されている作品もあります。自分が実際に使用するときのイメージもできそうです。
会場内には、それぞれの受賞作品についての詳細が書かれた冊子も用意されているので、それを参考に会場を回ると、より理解を深めることができます。(冊子のご用意がないものもあります)
受賞デザインに実際に触れることができるのも、この展覧会の大きな特徴です。メディアデザイナー Juhyun Euneさん選のMangoslabによる「nemonic」は、スマホやPCの画像・文字などをトレーやインクなしで即座に付箋紙に印刷できる感熱式プリンター。例えばスマホに入力した文字やイラストはもちろん、撮った写真もその場で印刷することができます。実際に体験してみると、デジタルとアナログの間をゆく新鮮さに思わず心躍ります。皆さんも、ぜひ試してみてください。
男性の来場者からも「カッコイイ」との声があがっていたのが、イノベーションマネジメント研究者 小林 茂さん選のコンピュータを使わないプログラミング教材「カムプログラムロボット工作セット」(株式会社タミヤ)と、プロダクトデザイナー 倉本仁さん選の生ドラムにも負けない音の深さを誇る電子ドラム「V-ドラム TD-50KV with KD-A22」(ローランド株式会社)。自分の手で何かを生み出すことの面白さを感じることができます。
一部の受賞デザインは、現物ではなくパネルとして紹介されています。上の写真は、SNSでも拡散され、人々の注目を集めたヤフー株式会社による防災広告「ちょうどこの高さ」。東日本大震災の際に岩手県大船渡市で観測された最大津波16.7メートルを広告として打ち出したものです。数字を目に見える形にすることで、多くの人が衝撃を受けました。こちらはクリエイティブディレクター 上田壮一さん選の一品です。
今回紹介したもの以外にも、思わず顔がほころんだり、圧倒されてしまうデザインがたくさん並んでいました。美術館とは一味違う、"使う"をイメージし、デザインの楽しさや可能性を吟味することのできる今回の展覧会。審査員の目線によって選ばれた「一品」を、あなたはどう読み解きますか?
こちらの展覧会の会期は10月27日(金)まで。
詳しい情報は下記の公式サイトをご覧ください。
information
東京ミッドタウン・デザインハブ 第69回企画展
「私の選んだ一品 - 2017年度グッドデザイン賞審査委員セレクション」
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:10月4日(水)~10月27日(金)11:00〜19:00※会期中無休
入場料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):http://designhub.jp/exhibitions/3332/