「NARUTO - ナルト -」や「名探偵コナン」、「ドラゴンクエスト」シリーズから「艦隊これくしょん- 艦これ-」まで。現在、国立新美術館で開催中の「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展は、その名のとおり、複合的に発展を遂げている、日本のマンガとアニメとゲームをテーマにした展覧会。先日、その内覧会が開催され、一足先に鑑賞してきました。
会場は、「現代のヒーロー&ヒロイン」「ネット社会が生み出したもの」「現実とのリンク」など8章で構成。1989年以降の作品の原画や動画、資料が展示されていて、作品同士のつながりや社会との関係性についても解説されていました。
なぜ1989年かというと、"マンガの神様"手塚治虫が亡くなった年だから。その影響力を考えれば、この時代区分にも納得です。
マンガやアニメはアートの文脈で語られることも多いですが、「名探偵コナン」など、子どもから大人まで幅広いファンを持つポピュラーな作品が展示されるのは珍しいのではないでしょうか?
こちらも、世代によってはたまらないであろう「美少女戦士セーラームーン」。まさか美術館で、テレビで放映されていた人気アニメが観られるとは......。
中には、実際にゲームセンターに置かれていたマシンも。「太鼓の達人」シリーズ、ハマった人も多いのでは? しかも実際にプレイできるとあって、もう自分が六本木でなく秋葉原にいるような錯覚すら覚えました。
こちらは、2013年「講談社漫画賞少女部門」を受賞、実写化も予定されている『俺物語!!』。マンガの展示は、額に入っていて美術館らしい印象です。
話題のマンガから懐かしのアニメまでが一堂に会するこの展覧会は、「現代の日本」をこれまでと違った側面から見られるという面白さがありました。
個人的に感慨深かったのが、六本木未来会議でも、チームラボの猪子寿之さんや音楽家・渋谷慶一郎さん、ファンタジスタ歌磨呂さんがインタビューで言及している「初音ミク」。
ヴァーチャルを飛び出して世界観を広げているこのキャラクターは、ゲームやアニメの枠を超えた、現代日本のアイコンといえるほどの人気を誇っています。
さらに個人的な感想をもうひとつ。家庭用ゲーム機の展示コーナーでは、20年前に発売された3Dゲーム機「バーチャルボーイ」を発見。子どもの頃の私に「おお、ついに未来が!」と思わせてくれた名機なのですが、いつの間にやら初音ミクがパリの劇場でオペラを歌う時代に......。
文化としてのこのジャンルを網羅的に紹介した「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」展。懐かしいキャラクターに出会えたり、気になる話題作を知ることができたり、シンプルに楽しめました。そしてそれ以上に、マンガやアニメ、ゲームを通して、自分自身の歴史を振り返るきっかけになる......かもしれませんよ。
編集部 飯塚
information
「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」
会場:国立新美術館 企画展示室1E
会期:6月24日(水)~8月31日(月)10:00~18:00
※ 金曜は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)、火曜休館
入場料:一般1,000円、大学生500円、高校生、18歳未満無料
http://www.nact.jp/exhibition_special/2015/magj/