六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本は2014年に開催した「森の学校」の図書室でも展示されていたものです)。
今回は、谷尻誠さんが選んだ、『りんごかもしれない』(ヨシタケ シンスケ著/ブロンズ新社)。
谷尻さんのコメント
ものの価値は多様です。いつの間にか、これはこういうモノだという価値感に縛られてしまってはいないでしょうか。りんごという言葉を一度取り除き、これは何だろうと考える時間、思考の大切さを、りんごは僕たちに教えてくれます。子どものころのように多様な世界を見る目をもういちど手に入れる事で、柔軟な思考で日々を見つめ直すともっと豊かで、楽しさ溢れる時間を誰もが手にすることでしょう。
ひとつのりんごから、「これはりんごじゃなくて、大きいさくらんぼかもしれない」「これはりんごになりすましたおじいちゃんとおばあちゃんかもしれない」と想像を膨らませていく主人公の男の子の思考が、とても純粋でユニークなお話。大人になると知らず知らずのうちに谷尻さんのいう、「縛られた」ものの見方をしていたことに、この絵本は気づかせてくれます。
谷尻誠さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #05
谷尻誠(建築家)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/05/
六本木未来会議 編集部