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2015年01月30日

【六本木ギャラリー探訪】no.003 TOTOギャラリー・間

六本木エリアのギャラリーを編集部スタッフの目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」、今回は「TOTOギャラリー・間(ま)」を訪ねました。これまでも、永山祐子さんのインタビュー、そして第5回六本木デザイン&アートツアーと、2度ほどうかがったことのあるこちら。"ギャラ間"という愛称でもおなじみの、建築とデザイン専門のギャラリーです。

私がうかがった1月23日は、展覧会「TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三」の初日。世界的な建築家・丹下健三氏自らが撮影した35mmフィルムのコンタクトシートを展示するという、ユニークな企画展です(3月28日まで)。

ちなみに、ギャラリーがあるのはこちらのビルの3階と4階。1階には海外の衛生機器のショールーム、2階には「Bookshop TOTO」が入っています。訪れたのは閉館時間ギリギリでしたが、平日にも関わらず、多くの人が鑑賞していました。

お話を聞かせてくれたのは、広報の片桐真理子さん(左)と小野慶子さん(右)。小野さんは建築学科出身、片桐さんは名建築を求めて旅に出るほどと、建築に造詣の深いおふたり。素人感丸出しの私の質問にも、丁寧に答えてくれました。

――建築とそれに付随するデザインの専門ギャラリーということですが。

「『Casa BRUTUS』など一般誌でも建築を扱うようになって、感度の高い人たちにも来ていただけるようになりました。とはいえ、やはりメインは建築に携わる方や建築を学ぶ学生さん。ある大学の先生は、新入生に『まず"ギャラ間"に行ってこい』と言ってくださるそうです。無料で見られるので、すすめやすいんでしょうね」(小野さん)

――一般のギャラリーのように、ここで作品を買うことはできますか?

「建築プロジェクトの紹介や、建築家の思想を紹介する場ですので、販売はしていません。ただ、2階にあるブックショップでは、展覧会に付随してつくった書籍も置いていますよ。『この作品は買えますか?』なんて聞かれることはたまにありますけど(笑)」(片桐さん)

――どうしてTOTOがギャラリーをやっているんですか?

「私どもの本業は水回りですから、建築とは切っても切り離せません。そこで、30年前、少しでも建築界に貢献できないかということで、安藤忠雄、川上元美、黒川雅之、杉本貴志、田中一光の5氏の協力のもと開廊しました。実はこの場所、以前はTOTOの社員寮が建っていたそうです」(小野さん)

「今年、2015年10月には30周年を迎え、記念の企画展を開催します。これまでも節目の年には企画展を開催しており、たとえば25周年のときには世界各国の建築家を紹介しました。30周年に向けて、現在、その内容をキュレーターが出展者と詰めている段階です。こちらもどうぞお楽しみに」(片桐さん)

――どんな思いでギャラリーを運営しているんでしょうか?

「建築って難しいと思われがちですが、たとえば今回の『丹下健三が見た丹下健三』展では、展示されているコンタクトシートに丹下自身がトリミングの線を引いています。自分の建築の何を切り取って見せるのかを思い悩んだ様子が伝わってきて、一人の人間としての姿が想像できるのが興味深いんです。私たちは個展にこだわって展覧会を企画し、建築家やデザイナーの思想をお伝えしていますが、あまり難しく考えず、これ面白そうとか、気持ちいい空間だなとか、まずはそんな感覚的なところから興味を持っていただけたらうれしいです」(小野さん)

「それと、ここギャラリー・間では、展示を行う建築家の先生に、空間そのものからつくっていただくのも大きな特徴です。私たちは空の箱を提供するだけ、すべてお任せしていますので、展示を見ること自体が建築体験になるのではないでしょうか」(片桐さん)

「展覧会は、担当のキュレーターが約1年をかけて企画を進めます。建築家の先生には、1物件を手がけるくらいの意気込みでクオリティの高い展示をしていただいているので、結果として評価してもらえる。幸せなギャラリーなんです(笑)」(小野さん)

――最後に、六本木をもっといい街にするには?

「私が学生の頃は、夜は地下から人が湧くように出てきて、昼はカラスしかいないようなイメージ(笑)。六本木ヒルズ、国立新美術館や東京ミッドタウンができて昼も賑わって、ギャラリー・間としてはうれしい限り。不満はありません。会社帰りに遊びに行くことは少ないですが、土日にゆっくり来たい街ですね」(小野さん)

「私もここ数年、土日に六本木に来ることが増えましたね。高層の商業施設ができた代わりに、緑も多くなったと思うんです。建物ばかりと思われがちだけど、公園でお弁当を食べたり、のどかに楽しむこともできる。そういうイメージがもっと広がったらいいなと思っています」(片桐さん)

最後に、せっかくTOTOのギャラリーということで、トイレもご紹介しておきます(笑)。

こちら、日本を代表する水回りメーカーだけに、トイレがすばらしくきれい、かつ高機能。おもてなしの意味も込めて、できるだけ最新のものを設置しているそうで、タンクレストイレの使い心地にひそかに感動! こんなところから建築に興味を持ってもいい......ですよね?

編集部 飯塚

 

information
「TOTOギャラリー・間」
住所:東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
TEL:03-3402-1010
開廊時間:11:00~18:00
休廊日:日曜・月曜・祝日、夏期休暇・年末年始・展示替え期間 ※開館時間、休館日は展覧会によって異なることがあります
http://www.toto.co.jp/gallerma/

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