東京を舞台に、アート、デザイン、インテリア、ファッションなど多彩なジャンルをリードする才能が集結し、都内各所でプレゼンテーションを行う日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2022」が10月30日(日)まで開催されました。
今年のテーマは「TOGETHER 〜融合する好奇⼼〜」。表参道・外苑前、原宿・明治神宮前、渋谷、六本木、銀座に点在するショップ、ギャラリー、イベントスペースなど約70の会場を舞台に、世界中から集まったクリエイターたち約300名が展示を行いました。
メインエキシビション「NEXT CIRCULATION -Sustainable & Technology-」の会場では、サステナブル×テクノロジーを基軸に、各界をリードする企業ブランドとクリエイターによる取り組みやコンテンツが発表されました。
今年は、特別企画として台湾から「the SP!RAL」と題して7組の作品が展示。台湾では今、資源が乏しいという日本と同様の課題に対してのアプローチが活発に行われているとか。そこで、今回は「社会を循環させる台湾のデザイン」をテーマに掲げ、サーキュラーエコノミーの考え方に基づいたプロダクトやソリューションが紹介されました。
こちらは、海岸に漂着する海洋ごみの4割を占める廃棄漁網を使用した100%再生利用可能なアイウェア。超軽量でありながら、壊れにくさも兼ね備えています。
台湾電力では、発電の過程で発生する副産物や廃棄設備を生かしたアップサイクルを実施。不要になったものを原材料に、スタイリッシュなコースターなどのグッズが作られています。
開催初日には、オープニングセレモニーが行われました。発起人6名と、財団法⼈台湾デザイン研究院の張院⻑、およびNEXT CIRCULATIONの空間構成を手掛けたデザイナー板坂諭氏が登壇。発起人からは本イベントのテーマや開催の経緯について語られました。
クライン ダイサム アーキテクツ代表のアストリッド・クライン氏は、企画当初はコロナ禍で、今回のテーマ「TOGETHER 〜融合する好奇⼼〜」の文字通り、"一緒に"できるかが不安だったと話します。
「"TOGETHER"な展示はインスピレーションを生みます」とし、無事こうして皆と"TOGETHER"できることが嬉しいと語り、テーマの通り、さまざまな国のデザイン・プロダクトが一堂に会したイベントとなりました。
メインエキシビションの会場から徒歩10分程度の距離にあるITOCHU SDGs STUDIOでは、「めぐる、つなぐ、はじまる展」が開催。再生と循環をテーマに3クリエイターの作品が展示されました。
東京産の無垢の木材を藍染した家具や小物を展開するAo.(アオ)は、新旧ハイブリッドな藍染め家具〈Ao.Re:(アオリ)〉を発表。廃棄された木製家具と、都内で伐採・製材された無垢の木材が再構成されています。
六本木エリアでもさまざまな展示が行われました。六本木駅から徒歩1分の場所に位置する本屋、文喫ではテキスタイルデザイナーの岡本汐加氏による企画「Color of Attitude」が登場。
日常生活で発生する野菜等の不可食部を染料とした、実験的テキスタイルデザインプロジェクトで、本来ならば「ゴミ」として捨てられる部分を、あえて色彩として記録し作品に落とし込むことに挑戦しています。
こちらは、11月20日(日)まで展示中。近くへ立ち寄った際はぜひ覗いてみては。
東京ミッドタウン ガレリア1階のイセタンサローネでは、ペリエジュエとガランス・ヴァレ氏のコラボレーションアート「Planted Air(大地から空へ)」が展示されました。
インスタレーションの中に設置されている針金のような立体は、大地にしっかりと根付いたブドウの木をイメージしているそう。展示のほか、コラボレーションボトル「ペリエ ジュエ ブラン・ド・ブラン by ガランス・ヴァレ」、ヴァレがデザインした貴重なアイスバケツやシャンパーニュスタンドも販売されました。
このほか、ガレリアではサテライト会場の一つとして、ambi & STUDIO RELIGHTによるseries「sea」や山本大介氏が手掛ける内装下地材LGS(軽量鉄骨)で再構築された家具「" FLOW "」の展示も。詳しくは、「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2022」のレポートで紹介しているので、あわせてご覧ください。
編集部 齊藤
「DESIGNART TOKYO 2022」
会期:2022年10月21日(金)~10月30日(日)
エリア:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷/六本木/銀座
主催:デザイナートトーキョー実行委員会
展示数:92
参加クリエイター・ブランド数:約300名
発起人:青木昭夫(MIRU DESIGN)、川上シュン(artless)、小池博史(NON-GRID・IMG SRC)、永田宙郷(TIMELESS)、アストリッド・クライン、マーク・ダイサム(ともにKlein Dytham architecture)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://designart.jp/designarttokyo2022/