現在、東京ミッドタウンでは、約3週間にわたり「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019」が開催されています。"デザインを五感で楽しむ"をコンセプトに13回目の開催を迎えた「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」。本レポートでは、多彩な展示やイベントの様子をお届けします。「DESIGNART TOKYO」六本木エリアの見どころはこちら。
今年のテーマは「FUSION(融合)」。社会が複雑化する中で、一個人、一企業だけでは、イノベーションを創出することが難しい現代に、デザインが空間やテクノロジー、アートなどの異分野と融合することで、新たな価値を提供します。
ミッドタウン・ガーデンでは"デザインの森"と題した「見る」「考える」「遊ぶ」「創る」4つのコンテンツが登場。こちらは「見る」コンテンツの「六本木カラー渓谷」です。
「色景に浸(ひた)る」をコンセプトに約80mにわたり創り出されたのは、メッシュ生地を使った、見たことのない色鮮やかな世界。エネルギッシュな色彩の渓谷で、景色とデザインの融合を感じることができます。
「いつもの道を歩きながら、大きな色に浸(ひた)り、何かの記憶がくすぐられ、感覚が開かれる。そんな体験を楽しんでください」と語るのは、本作のクリエイターである山田春奈と小林弘和によるクリエイティブ・ユニット「SPREAD」。六本木未来会議では10月23日(水)に、本作の制作エピソードとともに、色やデザインが秘めている可能性について伺ったインタビューを掲載予定ですので、どうぞご期待ください。
「考える」コンテンツは脇田玲による「Moment」。本作は時間をテーマにした彫刻です。「一瞬」という時間を表現するために、モチーフとして風が選ばれました。サイエンスの力で、人間の目では捉えることができない瞬間の風の形を可視化し、彫刻として表現された本作。ミラー素材に映る自身の姿に、人生という時間について考えさせられました。
芝生の上に広がるのは、より良い子どもの「あそびの環境」を考えるPLAY DESIGN LABによる5種類の遊具。「デザインのひろば」にはプロダクトデザイナーの深澤直人やインテリアデザイナーの五十嵐久枝がデザインした、グッドデザイン賞受賞の遊具が並びます。芝生のグリーンに、鮮やかな遊具がとても映えます。
「六本木未来会議」のアイデア実現プロジェクトである「森の学校2019」も開催。青空のもと、異なるジャンルのクリエイターが、人間がもつ野生の感覚を呼び覚ますような特別授業を行います。講師はデザイナーの三澤遥と木工職人の中川周士。人気連載「デザインとアートの本棚」のリアル本棚も登場し、秋の読書を楽しめます。六本木未来会議では後日、授業の予定をレポート予定です。お楽しみにお待ちください。
芝生広場に登場する30×45mの巨大なパビリオンは、スイスの高級時計ブランドAudemars Piguet(オーデマ ピゲ)によるエキシビション会場。歴史的価値のあるヴィンテージウォッチから現行モデルまで、150点におよぶモデル展示は圧巻です。
また会場内の巨大なスクリーンでは、オーデマ ピゲがサポートするアーティストの1人、池田亮司のデジタルアートが披露されます。「data-verse /データ・バース」と名付けられた3部作の第2作で、第1作はヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展にて同時展示中の注目作品です。入場無料なので、気軽に立ち寄ることができます。(事前予約によりスムーズにご入場いただけます。ご予約は公式サイトにて)
東京ミッドタウン館内各所では、10月31日(木)より「これを見れば今年のデザインのトレンドがわかる」国内最大級のデザインイベント「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」を開催中。11月4日(月)までと短い会期ではありますが、暮らしに身近なグッドデザインを、存分に楽しめる5日間です。(写真は昨年の様子)
東京ミッドタウン キャノピー・スクエアでは「MAZDA DESIGN Exhibition」が開催。「クルマは単なる鉄の塊ではない。クルマに命を吹き込み、人とクルマをエモーショナルにつなぎたい」というマツダの魂動デザインの考え方を具現化したMAZDA CX-30を展示しています。ビジュアルデザインスタジオWOW(クリエイターページリンク)制作の映像とともに構成される展示空間にもぜひご注目を。
10月19日(土)11:00からはマツダ株式会社の常務執行役員である前田育男×ビジュアルデザインスタジオWOW クリエイティブディレクター 於保浩介のメディア向けトークセッションも実施されるとのこと。当日はご来場者も立ち見で観覧が可能です。
21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2では、展覧会レポートでも紹介した企画展「虫展 −デザインのお手本−」が開催中です。虫の多様性や人間との関係性を通して、デザインの新たな一面を虫から学ぶことができる本展。企画監修を務めた解剖学者・養老孟司のインタビューも掲載中。より深く本展を知ること請け合いです。
お隣のギャラリー3では、トレンド予測の専門家であるリドヴィッチ・エデルコートがセレクトした日用品や穏やかなカラーリング、テキスタイルなど黙想的なインスタレーションと共に、いかにテクノロジーが人々の暮らしに溶け込んでゆくのかを探求する「Google Design Studio | comma」も開かれています。六本木未来会議ではリドヴィッチ・エデルコートさんへのインタビューも実施。11月に公開予定です。
他にもまだまだ魅力的な作品や展示が盛りだくさん。この秋、デザインを通して「FUSION(融合)」について考えてみてはいかがでしょうか?
Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019
会場:東京ミッドタウン各所
会期:10月18日(金)〜 11月4日(月・祝)※催しにより異なる
入場料:無料
公式サイトで詳細を見る:
https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/designtouch/