六本木で働く・住む人に、街についてのインタビューをし、リレーでつなげる当企画。登場してくれた谷口牧子さんは、クリエイターインタビューでも語られることが多く、六本木では知らない人のいないインテリアショップ「リビング・モティーフ」の店長。なかなか紹介することの少ない、六本木一丁目についての話もうかがいました。
Q 01
六本木といえば_________。(一言で表すと?)
A
歴史とカルチャーが蓄積された街でしょうか。私がここで働きはじめたのは、まだ六本木ヒルズも東京ミッドタウンもなかった2001年。当時はまさに、にぎやかな歓楽街といった感じで、多くの人が思い描く六本木のイメージそのまま。そこから、お店や街が変わっていく様子をずっと見てきました。
最近はマンションもできて"人が住める街"になったし、美術館やオフィスなどインテリジェンスが感じられるスペースも増えて、過ごしやすい街になりましたよね。それでも、独自のカルチャーは相変わらず残っている。歴史の中で蓄積された混沌とした雰囲気は飽きないし、面白い街だなと思います。
Q 02
あなたがオススメする、六本木のベスト3は?(飲食店を含む、あらゆるお店でOK)
A
1位 RANDY
アークヒルズの裏手、桜並木にあるカフェ。春には満開の桜、夏には緑が生い茂って、とにかくロケーションが最高なんです。私は通勤に六本木一丁目の駅を使っているので、わざわざここの前を通って帰ることもあるくらい。もちろん、お酒を飲みながらゆっくり食事をすることも。桜の季節は本当にすごい人で入れないですけど(笑)。
2位 ミッドタウン・ガーデン
地下の食品売り場で買い物をしたり、ちょっとした手土産を探したり、よく東京ミッドタウンを利用しています。お気に入りなのは、1階にあるとらやさん。和菓子だけでなく器など和の小物も扱っているのが面白いですね。買い物をしたついでに、お庭で休憩するのがいつものコースです。
3位 セルフリッチカフェ 六本木1丁目店
職場近くのお店だけだと飽きてしまうので、泉ガーデンの1階にあるこのお店まで足を延ばします。カレーが選べて、トッピングも無料、飲み物までセットになったランチがおすすめ。お店の前が休憩スペースになっていて、近くのビルにある滝の音も聞こえる、私にとっての憩いの場。朝少し早めに出て、ここで仕事をすることもあります。
Q 03
六本木にある、お気に入りの景色は?
A
お店の控室から見る景色です。六本木ヒルズが見えて、夕暮れ時はキラキラ光っているし、高層ビルに雲がかかっているのもきれい。都会の空ですけど、ぼーっと眺めているとすごく癒やされるんです。残念ながら店内からは見えませんが、AXISビルの上の階からも同じ景色が眺められますよ。
Q 04
六本木のアフター5の過ごし方は?
A
お店に勤めているので、早くあがれることはなかなかないのですが、仕事帰りに展覧会に行くことはありますね。森美術館は毎日22時まで、国立新美術館も週末は遅くまでやっているのが、とてもありがたい。最近観た中では「MIYAKE ISSEY展」、それから建築が好きなので「フォスター+パートナーズ展」がすばらしかったです。
Q 05
六本木ならではのリフレッシュ方法は?
A
お昼休みにちょっと遠出してランチしたり、散歩をすることでしょうか。リフレッシュもできるし、運動にもなりますし。ここまでの答えを見てもわかるとおり、私、都会の中に癒やしスポットを見つけるのが好きなんです(笑)。
Q02で紹介したセルフリッチカフェに行ったついでに、アークヒルズサウスタワーにあるこだわりのスーパー「福島屋」で買い物をするのも楽しいです。
Q 06
身の回りのお気に入りのデザインは?
A
お店の商品の宣伝になってしまうのですが......アングルポイズの新作のデスクライトです。美しいシルエットはもちろん、黄味がかった独特なグレーのカラーリング、ベース部分が小さくて邪魔にならないのもおすすめのポイント。
ちょうどベッドサイドの照明を探していたので、私も買おうと思っています! やっぱり実際に使ってみないと、自信を持っておすすめできないので。
Q 07
六本木をもっと良い街にするには?
A
昔は朝通勤で歩いていると、まだ盛り上がっている人がたくさんいて、声をかけられるような街だったので(笑)。それに比べると、だいぶアクの強さは弱まりましたが、まだ誰もが来やすい街ではないですよね。ただ、来やすくなったらなったで、六本木らしさもなくなっちゃうんじゃ......という思いもあって、難しいですね。
うちのお店も30〜50代のお客さまがメインですが、最近は、観光客やギャラリーに来た美大生が気軽に買えるアイテムも揃えています。独自のカルチャーを保ちつつ、幅広い世代の人たちが来やすい街になれたら。私たちお店を含めて、六本木を拠点に活動しているみんなで何かできたらいいですね。
Q 08
前回出演した方(中村綾夏さん)とのつながりを教えてください。
A
同じビルで働いている仲間です。テナント会議などで、他のお店の方と話す機会があるので、IMA CONSEPT STOREの展覧会について聞いたり、いろいろ情報交換させてもらっています。
no.045
谷口牧子さん
30代・ショップ店長
六本木歴15年