2024年も後半に突入しました。そこで今回は、編集部が注目する2024年下半期に開催される芸術祭やアートフェアの情報をお届けいたします。2024年に初開催のものから、長きに渡って実施されている芸術祭もピックアップ。開催地の特色が活かされた芸術祭は、周辺エリアの文化スポットと一緒に巡るのもおすすめです。年初に公開した「編集部が注目する2024年に行きたい芸術祭・アートフェア10選【国内編】」もあわせてご覧ください。
「編集部が注目する2024年に行きたい芸術祭・アートフェア10選【国内編】」
1.Art Squiggle Yokohama(アートスクイグルヨコハマ)2024
2024年7月19日(金)〜9月1日(日)
横浜・山下ふ頭を会場に、今年初開催となる現代アートフェスティバル。「Squiggle(スクイグル)」という言葉は「まがりくねった / 不規則な / 曲線」という意味ですが、アーティストが創作活動中に経験する迷いや試行錯誤のプロセスを象徴する言葉として今回イベント名称にはいっています。
「直線的でなく予測不能な動きや形状」を表すこの言葉は、アーティストが何かを形にする際に直面する状況を言いあらわしているとも言えるし、私たちの誰もがたどる、迷ったり、立ち止まったり、失敗をするというような人生の道筋や、自身の個性を磨き上げていくプロセスとも重なるのでは、と提案されたそうです。「Art Squiggle」は、「スクイグル」をコンセプトとした体験を通じて、アートが私たちと共に歩む存在だと来場者に感じていただくことを目指しています。
アーティスト、コレクティブなど、総勢16組による作品が展示され、その内8組が本イベントのために新作を発表。同会場で開催される音楽イベントにも注目です。
参加アーティスト
宇留野圭、川谷光平、河野未彩、GROUP、小林健太、酒井建治、土屋未久、中島佑太、沼田侑香、藤倉麻子、光岡幸一、村田啓、MOBIUM、山田愛、楊博、横山麻衣
>> 公式サイト https://artsquiggle.com/
2.浅間国際フォトフェスティバル2024 PHOTO MIYOTA
2024年7月20日(土)~9月16日(月・祝)
2018年から開催されている「浅間国際フォトフェスティバル」は、コロナ禍での2度の開催中止を経て、昨年過去最多となる約3万人の来場者を迎えました。その間、フェスティバルのメイン開催地である長野県御代田町はクリエイターを始めとする若い世代を中心に移住者が増え、会場となるMMoP(モップ)も近隣住民や旅行者から人気のスポットとして注目を集めています。
フェスティバルのテーマ「Memories Through Photography 写真の中の記憶」のもと、世界中の写真家による個性豊かな作品が一堂に会します。写真フェスティバルならではの大型展示や、御代田の自然の中を散策しながら、屋内外に展開される作品をインタラクティブに、五感で楽しむ場となっています。さらにワークショップや写真教室など、写真の楽しさを提案する体験型のイベントや、長野らしいフードやクラフトなどが楽しめるマルシェイベントなども週末に実施されます。
参加アーティスト
武村今日子、ニコンフォトコンテスト、高木康行、吉楽洋平、サンドラ・カンタネン、ロエベ財団、エルザ&ジョアナ、山谷佑介、バハラ・シッカ、余宮飛翔、コンスト、横浪 修、システム・オブ・カルチャー、カルロス・イドゥン・タウィア、須田一政、カート・トン、鈴木理策(展示順)
>> 公式サイト httpshttps://asamaphotofes.jp/
3.神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond
2024年8月24日(土)〜11月24日(日)
神戸六甲ミーツ・アートは、神戸・六甲山上で毎年開催されている現代アートの芸術祭です。2010年からこれまでに、延べ520組以上のアーティストが参加しました。15回目を迎える今回は、名称を「神戸六甲ミーツ・アート2024 beyond」に改め、神戸を象徴する六甲山の自然とアートをより一層楽しんでいただける芸術祭を目指します。近隣エリアで行われるアートフェアなどとあわせて訪れたり、関連イベントを事前にチェックして秋の行楽シーズンとあわせてアート散策するスタイルがおすすめです。
参加アーティスト
Artist in Residence KOBE(AiRK)、URBAN KNIT(兼平翔太)、青木陵子+伊藤存、青野文昭、あつめやさん、雨宮庸介、アルネ・ヘンドリックス、いくらまりえ、ウ・ヒョンミン、nl/rokko project、大石章生、大野智史、岡田健太郎、小畑亮平、開発好明、金氏徹平、蒲原凪×田羅義史×村田優大、川俣正、北川太郎、城戸みゆき、クゥワイ・サムナン、倉富二達広、小出ナオキ、近藤尚、佐藤圭一、さとうりさ、さわひらき、周逸喬、鈴木将弘、田岡和也×Omult.Venzer、高田治、高橋匡太、高橋瑠璃、竹中美幸、田中優菜、土田翔、生田目礼一、楢木野淑子、西田秀己、西野達、野村由香、のん、HAFEN 本田耕、原田明夫、春田美咲、福島周平、布施琳太郎、船井美佐、堀田ゆうか、マキコムズ、松田修、水田雅也、三梨伸、三原聡一郎、宮永愛子、村上郁、葭村太一、ロプ・ファン・ミエルロ、渡辺篤(アイムヒア プロジェクト)、WA!moto."Motoka Watanabe"、Waft Lab
>> 公式サイト https://rokkomeetsart.jp/
4.飛生芸術祭2024「僕らは同じ夢をみる―」
2024年9月7日(土)~9月15日(日)
「飛生芸術祭」は、北海道白老町にある旧飛生小学校にアトリエを構え1986年に発足した飛生アートコミュニティーが2009年より開催しているアートイベントです。旧飛生小学校の木造校舎と周囲の森を展覧会場として、飛生に関わるアーティストの作品や、コミュニティーメンバーが一年をかけてつくってきた森全体が一つの作品として披露されます。芸術祭の期間である9日間は、森づくりのメンバーが来場者を迎え、週末の土日は森づくりの雰囲気を味わっていただいたり、森を案内するツアーやワークショップなどが開催される予定です。
白老町には、アイヌ文化の復興・創造等の拠点となるナショナルセンター「ウポポイ」も位置していて、豊かな自然に溢れるポロト湖のほとりで、アイヌ文化の多彩な魅力に触れることもできます。あわせて訪れてみるのもいいかもしれません。
>> 公式サイト https://tobiu.com/
5.GO FOR KOGEI 2024 くらしと工芸、アートにおける哲学的なもの
2024年9月14日(土)~10月20日(日)
GO FOR KOGEI 2024では、アルチザン、クラフトマン、デザイナー、アーティストが集まり、素材、技法、用途、表現といった近代工芸の特徴に改めて着目し、今日の多様な工芸と隣接するアートが紹介されます。会場は、昨年からの継続となる岩瀬エリア(富山市)に加えて、金沢市の東山という2つのエリアで開催されます。
岩瀬エリアでは、町並みや風景を生かしたサイトスペシフィックな作品を展示し、地元の日本酒や食などを楽しめる場所と共に、ゆったりした旅の気分を味わうことができます。東山エリアでは、作品展示のほか2021年に実施した「工芸×デザイン13人のディレクターが描く工芸のある暮らしの姿」をもとに発展させた、「もの」と「こと」が織りなすイベントが開催されます。
参加アーティスト
赤木明登×大谷桃子、石渡結、磯谷博史、伊能一三、岩崎努、岩村遠、柿沼康二、川合優×塚本美樹(四知堂)、サリーナー・サッタポン、澤田健勝、釋永岳、五月女晴佳、竹俣勇壱×鬼木孝一郎、舘鼻則孝、外山和洋、松山智一、三浦史朗+宴KAIプロジェクト、八木隆裕(開化堂)、安田泰三
>> 公式サイト https://goforkogei.com/
6.アートフェア アジア 福岡2024
2024年9月20日(金)~9月22日(日)
「ART FAIR ASIA FUKUOKA」は2015年より福岡で開催されている、日本で唯一、アジアをコンセプトとしたアートフェアです。
第9回となる本年は、9月20日(金)から22日(日)までの3日間、「福岡国際センター」をフェア会場に、日本とアジア諸国の"交流拠点"として構成され、「アジア」「九州」のアーティストにフォーカスをあてます。出展者は小山登美夫ギャラリーや東京画廊+BTAP、ケンジタキギャラリー、アートフロントギャラリー、YIRI ARTSなどの国内外の実力派ギャラリーが集まります。会期中は福岡市による「FaN Week」も同時開催され、福岡市全体がアートで溢れます。
>> 公式サイト https://artfair.asia/
7.Art Fair Beppu 2024
2024年9月21日(土)~9月24日(火)
「Art Fair Beppu」は、世界有数の温泉地・大分県別府市を舞台に、今年2回目の開催となるアートフェアです。期間中、出展アーティストが会場に常駐することを最大の特徴としていて、作品のみならず、アーティストの思いや未来への眼差しにも触れることができます。今回は出展者数、展示エリアともに拡大し、現代アートから工芸まで多様なアートの魅力が発信されます。メイン会場が観光港の旧フェリー乗り場だったり、温泉入浴券つき入場チケットが販売されたりなど、別府という温泉地開催ならではの特徴が活かされたユニークなフェアです。
また、別府では、「世界を異なる形で再生させる旅の入口」をコンセプトにしたアートプロジェクト 「ALTERNATIVE-STATE」も進行中。2024年3月には、アーティスト栗林隆による『植物元気炉』が完成するなど、現在4つの作品が公開されています。期間中、Art Fair Beppu 2024の関連イベントとして、「中崎 透とめぐる [ALTERNATIVE-STATE] 新作ツアー」ほか、アーティスト西野 達とともに2017年に開催された「西野 達 in 別府」ゆかりの場所やお気に入りの場所を巡るツアー、別府と大分県内のアートスポットを巡るバスツアーなども開催されるそうなので、詳しくは公式サイトから最新情報をチェックしてみて。
出展アーティスト
アグネス吉井、浅野ひかり、anno lab、長野櫻子(anno lab)、安部沙保里、有馬晋平、市村優奈、牛嶋太洋、宇野湧、おおつきゆき、大平由香理、大脇僚介、沖田愛有美、オレクトロニカ、KAIMON TEI、勝正光、加藤立、久保勝大、桑原ひな乃、齋藤夏海、迫鉄平、佐藤壮馬、サルチョード・イル、システム・オブ・カルチャー、柴田まお、新宅和音、杉谷一考、関川航平、高梨麻梨香、高屋永遠、武内もも、田中藍衣、チェン・ウェイチェン、東京ディスティニーランド、鳥彦、永井 幸太朗、西村昂祐、ぬQ、野々上聡人、はらだひまわり、valo、東智恵、平井亮汰、福岡佑梨、古屋湖都美、細川京佳、堀川すなお、堀田千尋、前谷開、三枝愛、水田雅也、宮崎勇次郎、向山晃大、村田峰紀、室井 悠輔、森川彩夏、森下明音、八木萌、山口知咲、YUSHU、YORUDA、渡邊李佳
ゲストアーティスト
中崎透、西野達、藤井光
>> 公式サイト https://artfairbeppu.com/
8.六本木アートナイト2024
2024年9月27日(金)〜29日(日)
2009年にスタートした六本木の街を舞台にしたアートフェスティバル「六本木アートナイト」が今年も開催。今回は、会期を3日間に延長し、様々なアートプログラムを展開します。また、一部の作品は10月14日(月・祝)まで長期展示されます。プログラムの詳細は、7月下旬に発表予定とのこと。あわせてご覧ください。
>> 公式サイト https://www.roppongiartnight.com/2024/
9.MEET YOUR ART FESTIVAL 2024「NEW ERA」
2024年10月11日(金)~10月14日(月・祝)
「MEET YOUR ART FESTIVAL」はアートを軸に、音楽・食・ファッション・ライフスタイルなどの隣接したカルチャーを一堂に会することで、領域を超えてそれぞれのカルチャーの魅力に気付きを生み出すとともに、アートに対する新しい出会いや発見を設計することを目指す、領域横断型のアートフェスティバルです。
今年のフェスティバルテーマは「NEW ERA」とし、国内に留まらず、勢いを増すアジアを中心とした海外のアートやカルチャーにおける新しいムーヴメントまでを体験できる唯一無二のアートフェスティバルへの深化を試みるとともに、未来の文化芸術の担い手となる国内外の気鋭アーティスト/キュレーター/ディレクターと協働してフェスティバルを創り上げることで、MEET YOUR ART FESTIVALが今後の活動の発射台となることや、多様な才能が集い、混ざり合い、さらなる新しいうねりを生む起点となることも目指します。
アートエキシビション「SSS: Super Spectrum Specification」
出展アーティスト&パフォーマー:
アグネス吉井/アントニス・ピッタス/オル太/風間サチコ/かもめマシーン/contact Gonzo /ゴッドスコーピオン/下道基行/シュウ・ジャウェイ/suzuko yamada architects/トモトシ/中間アヤカ/ボマ・パク/松田将英/MES/森下真樹
アートフェア「MEET YOUR ARTISTS」
出展アーティスト:
青山悟、浅野友理子、AHMED MANNAN、Wei Jia、梅沢和木、大久保紗也、大竹彩子、大野修、岡田菜美、兼子真一、倉知朋之介、蔡瑞恒、佐々木類、Sareena Sattapon、品川はるな、品川亮、新城大地郎、杉田万智、すずえり、高尾岳央、高橋穣、高山瑞、谷口正造、東城信之介、徳永葵、能條雅由、vug、長谷川寛示、平野泰子、前田紗希、松井照太、松岡柚歩、松田ハル、松村咲希、村山悟郎、諸角拓海、山田康平、YU SORA、葭村太一、米澤柊、米村優人、Lee Yueh Chen、和田直祐、渡邊涼太
アートフェア「CROSSOVER」
出展者:
AKIINOUE、デカメロン、金子恵治、NEORT++、HIBIS-CUS、PROJECT ATAMI、Marco Gallery、CON_、スタジオ航大、feeldog&jinwoon and more
>> 公式サイト https://avex.jp/meetyourart/festival/
10.アートウィーク東京 | ART WEEK TOKYO
2024年11月7日(木)〜11月10日(日)
アートウィーク東京(AWT)は、東京における現代アートの創造性と多様性を国内外に発信する、年に一度のイベントです。東京を代表する53の美術館・ギャラリーが参画し、それぞれ多様なコレクションや展示と共に参加者を迎えます。各施設を無料のシャトルバス「AWT BUS」がつなぎ、会期中は「買える展覧会」として始まった「AWT FOCUS」や映像作品プログラム「AWT VIDEO」をはじめとするAWT独自の企画も開催されます。
2023年に始まった「AWT FOCUS」の会場となるのは、前回に引き続き、現存する日本最古の私立美術館である「大倉集古館」です。今年は「大地と風と火と:アジアから想像する未来」と題し、森美術館館長であり国立アートリサーチセンター長も兼任する片岡真実氏が監修をつとめます。
>> 公式サイト https://www.artweektokyo.com/