10月29日(日)まで、都内主要エリアで開催されている日本最大級のデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART TOKYO 2023」。今年は表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・広尾・銀座・東京において、83の会場で108もの作品が展示。参加クリエイター・ブランド数は約300に上ります。
今回は、開催に先立って行われたオープニングセレモニーの様子と、六本木エリアで開催する注目の展覧会・イベントについてレポートします。
10月20日(金)、オフィシャルエキシビションの一つとなるエスコルテ青山にて、オープニングセレモニーが行われました。会場には、発起人の青木昭夫さん、川上シュンさん、小池博史さん、永田宙郷さん、アストリッド・クラインさん、マーク・ダイサムさん、その他参加クリエイターが揃いました。
7年目となる今年のテーマは「Sparks ~思考の解放~」。アストリッドさんは「"Sparks"を日本語で表現するなら、"きらめき"や"ときめき"など。これは、小さなパチパチとした光もそうですし、クリエイターがインスピレーションを得たときの閃きの意も含みます。そんな"きらめき"が飛び交うイベントになれば幸いです」と、テーマについて説明しました。
会場の空間デザインを手掛けるのは、デザイナーの進藤篤さん。コロナ禍で使用されたアクリル板が大量に廃棄されている現状を打破すべく、それらをアップサイクルしたインスタレーションが展開されています。
エスコルテ青山では、9組のクリエイター・ブランドによる作品が登場。たとえば、照明メーカーのAmbientecは、今年オープンした直営ギャラリー「Ambientec GALLERY」を再現しました。既存コレクションだけでなく、今年4月にミラノサローネで発表したばかりの新作も国内初披露されています。
さらに、日本でも人気の高いデンマークの家具ブランド「Muuto」は、ポップアップストアを併設。シンプルながらも洗練された家具の数々を見ていると、もし自分の部屋にあったら...と想像してしまいます。
それでは場所を六本木に移しましょう。
六本木にあるピラミデビル1階に入居するペロタン東京では、ジャン=フィリップ・デロームの個展が初開催。本展のタイトル"visage(s)"は、フランス語で"顔"を意味します。本展では数々の新作肖像画が発表されていますが、ぜひその「顔」に注目してみてください。
カフェレストラン&ミュージックバーラウンジのCommonでは、大越智哉の作品を見ながら食事を楽しめます。展示されている「OBJECTRUM」は、廃木材を加工して作られたもので、手作業ならではの温かみを感じます。
文喫では、グラフィックデザイナーの石井伶と金物作家でありプロダクトデザイナーの渡辺紘平によるユニットのPOPCORNによる《Fly a light "TAKO"》を展示。日本人にとって身近な凧を、照明×オブジェとして再解釈したそうで、図柄は四季にまつわる言葉からインスピレーションを得ているそうです。
東京ミッドタウンでは、「DESIGN TOUCH 2023」の開催期間中、「いざなうデザイン ーDraw the Futureー」をテーマに3組のクリエイター作品が展示されています。 まずはガレリア2階。2組のクリエイターによる作品を見ることができます。21B STUDIOの「ink couture project」は、オフセット印刷機の廃インク清掃で使用した不織布を素材として活用するプロジェクトです。
守本悠一郎の「NISSHOKU」は、電力を使わない不思議な照明。オレンジ色のアクリル板がまわりの光を吸収し、円の縁に沿って光を帯びる仕組みです。
3階に上がると、田渡大貴の「Nature or Nurture」の展示が。流木を使った椅子などの作品が並んでいます。
国立新美術館では「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」など、「DESIGNART TOKYO 2023」期間中はさまざまな展覧会・イベントが開催されます。
六本木エリアでは、ほかにも「DESIGNART TOKYO 2023」以外の展覧会・イベントが開催されており、21_21 DESIGN SIGHT 企画展では「Material, or 」と「吉岡徳仁 FLAME − ガラスのトーチとモニュメント」が開催中です。
「DESIGNART TOKYO 2023」そのものは10月29日(日)までですが、展覧会・イベントによっては11~12月頃まで実施しているところも。ぜひ六本木でデザイン巡りをしてみてはいかがでしょうか。
編集部 齊藤
「DESIGNART TOKYO 2023」
会期:2023年10月20日(金)~10月29日(日)
エリア:表参道・外苑前・原宿・渋谷・六本木・広尾・銀座・東京
主催:DESIGNART TOKYO 実行委員会
展覧会HP(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://designart.jp/designarttokyo2023/