「六本木アートナイト2023」が、いよいよ明日5月27日(土)~28日(日)の2日間にわたって開催されます。4年ぶりとなるオールナイト開催、ということで、編集部のおすすめコースをご紹介します。
2日間で実施されるプログラム数は100を超えます。ということで、まずは全体観を把握するために、六本木アートナイト公式サイトをチェック。日時・エリア毎にソートできる形で全プログラムを俯瞰することができます。
六本木アートナイト2023 | Roppongi Art Night 2023
また、前回まであった全プログラムが掲載されたガイド冊子はないのですが、代わりに、パフォーマンスなどが時系列に紹介されているガイドが。スケジュール立てに役立ちそう。
とはいえ、全プログラムを直前にチェックするのって大変...そんなみなさまに、編集部から今年のアートナイトの楽しみ方をご提案させていただきます!
「六本木アートナイト」は、その名の通り、やっぱり夜通しアートを楽しんでみるのがおすすめ。スタートは5/27(土)の夕方あたりはいかがでしょうか。六本木ヒルズのアリーナでは、メインアーティストの一人、栗林隆率いるCinema Caravanの他、オープニングスペシャルパフォーマンスも。
六本木ヒルズアリーナでは、栗林隆と、2009年から彼と共に活動を始めた多様なメンバーで構成されるコレクティブCinema Caravanによる《Tanker Project》が出現。オープニングには、今回のアートナイトの参加アーティストが大集合するのも貴重な機会です。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/16770
18:25からは、オランダを拠点とし1991年に設立した世界中で活躍するパフォーマンスカンパニーClose-Act Theatreの視覚的な創作にこだわったパフォーマンスが。今回披露される《White Wings》は、白い翼を纏った幻想的なキャラクターが優雅にウォーキングする幻想的なパフォーマンス。ヒルズアリーナほか、両日とも東京ミッドタウンでの公演も。
場所・時間 ※各約20分間
5月27日(土)
①六本木ヒルズアリーナ16:00~(公開リハーサル)
②六本木ヒルズアリーナ18:25~
③東京ミッドタウン プラザ1階 20:30~
5月28日(日)
①六本木ヒルズアリーナ 14:00~
②東京ミッドタウン プラザ1階 16:00~
③六本木ヒルズアリーナ 17:45~
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/16815
もう少しだけ六本木ヒルズアリーナに滞在。
Cinema Caravan代表の志津野雷が世界を旅して切り取った記録を紡いだ映像作品《Play with the Earth》。19:00からは、この映像に合わせてライブ公演が。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/17068
まだまだライブは続くのですが、19:30頃、次の目的地、国立新美術館に向けて出発。その前に、六本木ヒルズで見られる2つの作品は必ずチェックしておきたいところ。
東京をベースに活動するフランス人建築家・デザイナー、エマニュエル・ムホーによる100色で彩られたインスタレーション《100 colors no.43「100色の記憶」》が、六本木ヒルズ 66プラザに出現。小さな数字が幾重にも重なり合い、年号が浮かび上がるようすが時の流れを感じさせます。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/16801
六本木ヒルズ ウエストウォーク2階には、毛布アーティストの江頭誠が手掛ける《DXもふもふ毛布ドリームハウス》が登場。今回はリカちゃんハウスをモチーフに、かつての憧れの西洋の高級感を演出した花柄毛布でつくったドリームハウスです。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/16803
今回のアートナイトのもう一人のメインアーティスト、絵画、彫刻、パフォーマンスなど、さまざまな表現手法で芸術の根源的な問い直しを行う鴻池朋子の作品が屋内外に登場。《皮トンビ》は、国立新美術館・東京ミッドタウンの2か所で展示されます。国立新美術館では、あわせて《狼ベンチ》《陸にあがる》も展示されるのでお忘れなきよう。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/16772
国立新美術館で「NACT View」シリーズの第2回として展示されている「ねずみっけ」は、アニメーション作家・築地のはらによるプロジェクションマッピングとARアニメーション。アートナイトの期間中は特別バージョンのアニメーションとなっているので見逃せません。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/17114
3階の屋上庭園では、しばたみづきが「つぼ」を制作する過程を見ることができます。特に、5月27日(土)19:00~22:00の間は、国立新美術館の自然の中で成長した「つぼなんか(つぼのようなもの)」を「よく観察(鑑賞)する」パフォーマンスが行われるので要チェックです(途中退場可能)。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/17113
アートナイトならでは、朝までオープンしているお店も。後半戦に向けて、このあたりでおなかを満たしておきましょう。
まだまだアートナイトは続く...
ガレリアでは、鴻池朋子の《皮トンビ》が。その他、STREET MUSEUMやTOKYO MIDTOWN AWARD出身作家の最新作も登場します。
ガレリア1階では、井原宏蕗の作品が2つ展示されます。上画像の《book(ing)》は、虫に喰われて欠損した本。《dyeing 500》は、カイガラムシや蚕の糞を密集させて水をかけ、流れ出た色素で絹を染めるという作品。まさしく今年のテーマ「都市のいきもの図鑑」にピッタリなアートです。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/17081
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/17082
東京ミッドタウン内を歩いていると、小さな動物や昆虫たちの家に遭遇します。太湯雅晴の《Maison de ROPPONGI》です。室内にはキッチンや寝室、浴室などが備えられているので、ぜひ覗き込んでみてください。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/17083
2008年より毎年開催されている、若手アーティスを応援するコンペ「TOKYO MIDTOWN AWARD」。その昨年受賞者6組による新作が、東京ミッドタウン プラザB1階のメトロアベニューに並びます。
夜も深まる頃、終電も終わってしまいますが、まだまだアートナイトは終わりません。六本木の夜を満喫できるコンテンツが。
日付が変わって5月28日(日)。1:00amには、東京ミッドタウンのプラザ地下1階、彫刻家・安田侃《意心帰》周辺特設会場で、オランダと東京で同時開催される「テレマティックパフォーマンス」が。ダンサー大宮大奨のパフォーマンスと、アムステルダムを拠点にするアマンティーナ・ジーンの影が、リアルタイムで重なります。普段は入ることのできない深夜の東京ミッドタウン館内での特別な体験となることでしょう。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/18613
見ても見ても見終わらない、それが六本木アートナイト。街なかで偶然アートに遭遇できる体験が深夜帯にできるのも他ではない楽しみ方の一つ。気になるプログラムをチェックして、マップに落とし込んで効率的にまわりたいところ。
六本木街なかプログラムをチェック。
| PROGRAMS | 六本木アートナイト2023 | Roppongi Art Night 2023
六本木未来会議に以前登場したこともある広島県出身の美術家、岩崎貴宏の作品が、第1レーヌビルに登場。変化し続ける都市、六本木が彼の手によってどう描かれるのか必見です。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/17131
また、この時間帯の隠れたおススメは、森美術館で実施中の「ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会」。深夜帯に美術館に入れるというだけで特別な体験に感じてしまいます。6:00amまで開館しているので、夜景と一緒にアートをたのしむ機会に。アートナイトスペシャルで、なんと学生は入館無料です。「ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築」も同じく朝まで開館しています。
さらに5月28日(日)4:00amからは写真家・石川直樹によるトークプログラムが開催。会場は前述の東京ミッドタウンプラザ地下1階《意心帰》。日本・世界の各地で数えきれない夜明けを目撃してきた石川。今回はじめて語られる直近のヒマラヤへの遠征の話や朗読を通じて、六本木の夜と朝をつなぐ景色に浮かぶ、ヒマラヤの夜明けを共に目撃しましょう。
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト #21「ROPPONGI STREET THEATER #02」詳細
最後の締めくくりは、再び六本木ヒルズアリーナへ。
5月28日(日)5:30amから行われるこちらでは、恒例だった「クラシックなラジオ体操」が、復活! 日本フィルハーモニー交響楽団の生演奏に合わせてラジオ体操をして、健康的に朝を迎えましょう。
https://www.roppongiartnight.com/2023/programs/16817
ここまでで、オールナイトはコンプリート、です。いかがだったでしょうか。4年ぶりのアートナイトということで、夜のコンテンツを中心にご紹介しましたが、もちろん、お昼間も楽しめる展示やイベントが盛りだくさん。自分の好みにあわせていろいろなコースを開発してみるのも楽しいので、是非、一夜限りのアートの祭典の楽しみかたをそれぞれ見つけてみてください。
編集部