21_21 DESIGN SIGHTのギャラリー3では、2023年3月18日(土)から3月26日(日)まで、「そばにあった未来とデザイン『わからなさの引力』展」を開催していました。
本展の主催は、NTTドコモ。同社のプロダクトデザインチームは、スマートフォンなどのプロダクトデザインの方向性を探るべく日々研究を重ねており、2010年からはその成果を一般に公開すべく、展示会も開催してきました。
本展の参加クリエイターは、伊藤亜紗、AKI INOMATA、岩佐十良、岡本健、緒方壽人、倉本仁、齋藤精一、鈴木元、辰野しずか、田根剛、長嶋りかこ、三宅一生、宮島達男の13名。デザイナーだけでなく美術家や建築家など、幅広い分野の精鋭たちが日常生活の中にある「説明しがたい魅力をもっているモノ」を選出しています。
会場では、プロダクトを選んだクリエイター本人のコメントだけでなく、NTTドコモと『AXIS』編集部の言葉も添えられています。異なる3つの視点から「わからなさ」に目を向けることで、その裏側にある感覚的かつ感性的な可能性、豊かさについて考察していきます。
展示されているプロダクトは、コンベックス(巻尺)や硯、ビーチサンダルなどの日用品から、ヒシの実、指ハブといったなかなかお目にかかれないものまで、多種多様です。ここでは、六本木未来会議編集部の目線から3つをピックアップしてご紹介します。
現代美術家の宮島達男さんは「日晷(にっき)」をチョイス。上海の古道具屋で購入した携帯式日時計だとか。ご本人も使い方はよくわからないそうですが、レトロ感も相まった異国情緒あふれる雰囲気に、思わず見入ってしまいました。
美術家のAKI INOMATAさんが選んだのは「虫食い欄間」。カミキリムシによってできた穴が、まるで彫刻作品のように仕上がっています。ちょうど同時期に、森美術館で開催していた「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」の展示《彫刻のつくりかた》が思い出されました。
「動物の子どものぬいぐるみ」は、グラフィックデザイナーの長嶋りかこさんが選出。お子さんができてから、それまではあまり興味のなかったぬいぐるみをかわいいと感じるようになったそうです。
入り口に設置されているボードですが、裏側はあえて木材部分をむき出しにしたそう。木が持つ温かみも、言葉では説明しがたい魅力の一つだなと思いながら、展示会場を後にしました。
編集部 齊藤
「そばにあった未来とデザイン『わからなさの引力』展」
会期:2023年3月18日(土)~3月26日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3
時間:10:00~19:00
料金:無料
主催:NTTドコモ
協力:AXIS
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://design.idc.nttdocomo.co.jp/event/