東京ミッドタウンのミッドタウン・ガーデン、プラザ1Fでは、5月9日(日)まで国内外の様々なアーティストやデザイナー112名が「子どもの成長を願う」をテーマにデザインしたこいのぼりが展示されています。
今ではすっかり日本の風物詩となっているこいのぼりですが、江戸中期頃にはすでに家の敷地の一番高いところにこいのぼりを掲げ、天の神様に子どもの誕生をお知らせし、そのご加護を祈る文化があったそうです。
また、鯉が竜門と呼ばれている滝を流れに逆らって昇りきると、竜になって天へ上るという伝説もあることから、立身出世を願う飾りともされています。成長を願うほか、どんな環境にも耐え、立派な人になるようにという思いも込められているんですね。ちなみに、「登竜門」の語源もこの滝昇りの鯉の伝説から。
「こいのぼりギャラリー」に参加しているのは、JAGDA若手作家、TOKYO MIDTOWN AWARD過去受賞者、多摩美術大学 TUB、武蔵野美術大学、ハワイ在住のクリエイターたち。それぞれの個性が光るこいのぼりたちが一堂に会する様は圧巻です。
一旒一旒にタイトルがつけられていて、全部のこいのぼりのデザインを見てみたくなります。実はこの屋外ギャラリーには、浅葉克己氏、清水久和氏、永井一史氏など、国内外においてアートやデザインの分野で権威のある賞を受賞し、第一線で活躍しているデザイナー、作家がデザインしたこいのぼりも。歴史に残る人物たちの髪形をデザインしたもの、インパクトのある文字をあしらったものなど個性豊かなアイデアが光ります。
公式サイト(https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/openthepark/koinobori01.html)では全作品のデザインとともに、作家のコメントを楽しむことができますので、ぜひお気に入りのデザインを見つけてみてください。
また、残念ながら緊急事態宣言による休業要請のため中止となってしまいましたが、ガレリア3FのIDÉE SHOPでは、テキスタイルデザイナー須藤玲子さんと、主宰する「NUNO」がデザインしたこいのぼりの展示「NUNO:こいのぼり展」が実施されていました。
遊び心あふれるIDÉEの家具にそっと彩りを添える小さめのこいのぼりもいれば、単体で存在感を放つ約2メートルものこいのぼりも。
以前、須藤さんはインタビューで「家でも毎年、玄関に2メートルくらいの大きさのこいのぼりを飾っているんです。みんな、ドアを開けたらびっくりしますよ」と語っていましたが、確かにこの大きさのこいのぼりが玄関にいたら、思わず目を見張ってしまいそうです(インタビュー全文はこちら:六本木未来会議アイデア実現プロジェクト #11「街中こいのぼり by 須藤玲子」)。
NUNOのこいのぼりは、布の素材を活かした美しいものばかり。見た目からでも布自体の柔らかさが伝わってきます。
六本木の空の下を気持ちよさそうに泳ぐこいのぼりたち。その悠々自適さに、こちらまで時間を忘れて安らぎのひと時を楽しむことができました。コロナ禍による緊急事態宣言などで現地に足を運ぶ機会も減ってきていますが、できないことに目を向けるのではなく、オンラインでしかできない楽しみ方なども活かして、工夫しながら新しい体験を発見していくのも、これからの生活をよりクリエイティブにしてくれるヒントになるかもしれません。
編集部 高橋
こいのぼりギャラリー
会場:ミッドタウン・ガーデン、プラザ1F
会期:2021年4月23日(金)~5月9日(日)
開催時間:11:00 ~17:00
※荒天中止
公式サイト:(URLをクリックすると外部サイトへ移動します)
https://www.tokyo-midtown.com/jp/event/openthepark/
NUNO:こいのぼり展
会場:IDÉE SHOP Roppongi
会期:2021年4月2日(金)~5月5日(水・祝)
開催時間:11:00 ~ 20:00
※緊急事態宣言に4月24日(土)で展示は終了しています。
公式サイト:(URLをクリックすると外部サイトへ移動します)
https://www.idee.co.jp/shop/news/202103/koinobori.html