六本木で働く・住む人に、街についてのインタビューをし、リレーでつなげる当企画。今回は、靴工房「GRENSTOCK」を営む靴職人・五宝賢太郎さんです。工房でオーダーシューズの製作やリペアを手掛けるほか、世界的なシューズブランドから製作依頼を受けるなど、靴職人として活躍されている五宝さんは、六本木という街をどう見ているのでしょうか?
Q 01
六本木といえば_________。(一言で表すと?)
A
「イノベーション」だと思います。前に推進していく力がすごく強い街、というイメージですね。街の方たちが昔の六本木の話を教えてくれることがあるのですが、そのエピソードの内容も当時から見たらすごく新しいんです。「女学生の頃、東京タワーが完成していくのを見ながら外でお菓子を食べてたよ」とか。その時代ごとに日本の最先端のものを感じていたんだなというのがわかります。
あと、オーダーシューズというと革靴のイメージがあると思いますが、僕はランニングシューズやスニーカーも作ります。その「靴職人=工芸的」という従来のイメージとは違うことをやっている自分自身のマインドとも通じるところがあると思います
Q 02
あなたがオススメする、六本木のベスト3は?(飲食店を含む、あらゆるお店でOK)
A
1位 てんぷら みかわ(六本木ヒルズ)
お店の内装がずば抜けて好きです。現在活躍されている現代骨董の作家さん達のドリームチームと呼べる作品でお料理がいただけます。もちろん天ぷらもおいしいです。カウンターや暖簾、お猪口一つにも、すべてにこだわりが行き届いています。
2位 ジョンロブ(東京ミッドタウン)
紳士靴ではNo.1の高級品として扱われるブランドですが、店員の皆さんが本当に優しいんです。接客にも人柄にも奥行きがあって大好きです。いろいろなラグジュアリーブランドに行きますが、その中でも「人」というところにフォーカスできるお店ですね。
3位 BAR ARAMAKI
芋洗坂にある小さなバーなのですが、壁一面が画鋲です。照明の設計が完璧で、画鋲がすごくゴージャスに見えます。店主の荒巻さんの人柄が良く、いわゆる六本木のバーという感じの無い、すごく気さくで落ち着くお店です。
Q 03
六本木にある、お気に入りの景色は?
A
六本木一丁目の方からお店に来る途中にある坂道から見る東京タワーが絶景です。お店を開く前から10年ぐらい通っている、すごく好きな場所です。
Q 04
六本木のアフター5の過ごし方は?
A
お店が終わるのが遅いのであまりいろいろな所へは行けないのですが、スポーツバーでナチョスを食べながらスポーツ観戦することですね。
Q 05
六本木ならではのリフレッシュ方法は?
A
人と会って話すことがリフレッシュになります。お客様からヒントをもらうことも多いので、六本木は有意義なお話をできる方が多いと思います。
Q 06
身の回りのお気に入りのデザインは?
A
アレックス モールトンの自転車です。イギリスの自転車で、前輪と後輪にそれぞれサスペンションが付いているんです。分割式なのでバラバラにすることができたり、見た目としてもなかなか面白い。これは1980年代頃に作られたものですが、今も普通に乗っていますし、乗り心地も快適です。
Q 07
六本木をもっと良い街にするには?
A
僕も含めてですが、もっと皆が街の歴史を知ること。六本木は、敗戦から1960年代の高度成長期を経て一気に発展した日本の象徴のような街です。そうした背景を尊敬した上でさらに進んでいくことができるような、深みのある街だと思います。
Q 08
前回出演した方(出原さん)とのつながりを教えてください。
A
最初に会ったのはお客様としてお店に来られた時です。今は道で会えば挨拶したり、ご近所さん的な感じです。AXISで出原さんがされていることも好きなので、そういう意味ではファンでもありますね。
no.068
五宝賢太郎さん
30代・靴職人
六本木歴 3年