六本木で働く・住む人に、街についてのインタビューをし、リレーでつなげる当企画。今回は、広告デザインやポスター、ブランディングなども手掛ける株式会社ビービーの代表取締役でありアートディレクターでもある塚野丞次さんです。60年以上六本木を見続けてきた塚野さんでさえも「ホームタウンと呼ぶにはおこがましい」と言わしめるこの街ですが、その奥深さとは?
Q 01
六本木といえば_________。(一言で表すと?)
A
「租界」のような場所であった街、ですね。
歴史を遡ると、強い国が他国のある地域を占領して管理し、治外法権区を作ることがあったのですが「租界」はその地区を指す言葉です。六本木はその言葉通りの意味ではないのですが、その気配があったように思います。
50年ほど前のことになってしまいますが、その頃の六本木は日本人よりも外国人の方が多く、在日のアメリカ人をはじめ、中国人、フィリピン人など世界中の人種が六本木に集まっていたんです。そのおかげで、日本に今までなかったような異文化が六本木に集結し、それに伴ってお洒落な人たちが集まってきてきました。今の六本木にも、その血が流れているのではないでしょうか?
Q 02
あなたがオススメする、六本木のベスト3は?(飲食店を含む、あらゆるお店でOK)
A
1位 六本木という街全体
六本木ヒルズなどモダンな建物が聳える場所でありつつも、すぐ近くに商店街がある麻布十番という下町がある、そういう両面を持っている部分が、六本木のよいところではないでしょうか。
2位 狸穴
今は住んでいないのですが、昔はロシア大使館脇の狸穴坂の近くに住んでいました。狸の穴と書いて「まみあな」と読む、その名前が好きで、そこに長く住んでいました。
3位 CHIANTI
最近は行っていないのですが、昔はよく足を運んでいました。1960年に開業した、飯倉片町にあるイタリアンレストランです。
Q 03
六本木にある、お気に入りの景色は?
A
鳥居坂へと続く大きな通り
坂へ向かう途中、右手に国際文化会館があるのですが、春先などは桜がとても綺麗です。六本木で桜が見える場所は貴重ですね。
Q 04
六本木のアフター5の過ごし方は?
A
かなり長い間、六本木に住んでいましたが、家の居心地がよくて、仕事後もどこかに遊びに行くことはあまりなかったですね(笑)
Q 05
六本木ならではのリフレッシュ方法は?
A
特にこれといったものはないのですが、六本木以外の場所に引っ越しても、すぐここに戻ってきてしまっているので、六本木にいること自体がリフレッシュのようなものなのかもしれませんね。
Q 06
身の回りのお気に入りのデザインは?
A
大好きな陶芸家である辻村史朗さんからいただいた「ぐい飲み」です。私自身はお酒はほとんど飲まないのですが、このデザインはとても気に入っています。
Q 07
六本木をもっと良い街にするには?
A
無理に良い街になんてする必要はないんじゃないですか?自然発生的に起こる変化こそ、六本木らしさであると思うので。
Q 08
前回出演した方(竹内さん)とのつながりを教えてください。
A
ご近所づきあいですね。私の会社がグラフィックデザインや広告、パッケージなどを行っていることもあり、写真家/ギャラリーオーナーである竹内さんとも話が合い、時々この事務所で意見交換をしています。
no.065
塚野丞次さん
80代・株式会社ビービー 代表取締役/アートディレクター
六本木歴 約60年