毎年恒例の「六本木アートナイト」が今年は5月26日(土)から5月27日(日)にかけて開催されます。今回のメインプログラムアーティストは、日本の現代アート界を牽引する金氏徹平さん、鬼頭健吾さん、宇治野宗輝さんの3名。
今年のテーマ"街はアートの夢を見る"に沿った、デザイン、音楽、映像、パフォーマンスなど多様なアートが六本木を彩り、訪れる人に驚きと感動を与えてくれます。一夜限りのアートのお祭り。眠らない街・六本木は、はかなくも美しいアートの夢を見ることでしょう。
今年は、いつもの六本木の表情ががらっと変わるような大型インスタレーションが複数登場。80をゆうに超える作品・イベントの中でも編集部が注目するコンテンツをご紹介します。
<最新情報>
DUNDU by Tobias Husemann「DUNDU (ドゥンドゥ) ~光の巨人~」
まずは、先日情報が公開になったばかりのこちらの作品。身長5メートルにおよぶ巨大パペットから1メートルのリトルパペットまで様々な大きさや 形状のパペットを自在にあやつり、屋外のフェスティバルから屋内のステージまで多彩なレパートリーを持つパペットシアター・カンパニー DUNDU(ドゥンドゥ)が初来日します。今回は、発光する5メートルもの巨大パペットが六本木アートナイト3拠点に登場し、思わず見入ってしまう幻想的なパフォーマンスを繰り広げます。
<六本木ヒルズ>
金氏徹平さん「タワー」
「タワー」は、人間のように歌い、踊り、一夜の夢を描きだします。この作品には、ミュージシャンのオオルタイチと柴田聡子、ダンサーの島地保武、女優の青柳いづみ、サウンド・アーティストの荒木優光と小松千倫、ドラムの和田晋侍、映像作家の山田晋平をはじめ、劇作家の岡田利規、アーティストのcontact Gonzoなどが集います。ハイブリッドなコラージュ彫刻による、造形とパフォーマンスの混淆が楽しみですね。
<国立新美術館>
鬼頭健吾さん「hanging colors」、「broken flowers」
写真からも迫力が伝わるこの作品は、カラフルな布の滝「hanging colors」。黒川紀章による設計のガラスのファサードの形を浮き彫りにし、日中は外光が布を通して内部に色付きの夢を投影します。屋内に留まった夢は、夜には光として街に溢れ出していきます。
また、「broken flowers」は国立新美術館の正面玄関前、直径約10mのスペースに5,000個ほどの手鏡が敷き詰め、花の映像を投影。美しい花は同時に空虚な夢や幻となります。鬼頭健吾さんには、六本木未来会議クリエイターインタビュー(5月30日公開予定)でもご出演いただきます。あわせてチェックしてみてください。
<東京ミッドタウン>
宇治野宗輝さん「ドラゴンヘッド・ハウス」
こちらは自動車を「顎」に見立てた「DRAGONHEAD」シリーズの六本木バージョン。カラーコーンと車と建築が一体になった、音と光が連動する"動く彫刻"です。強靭な顎は、どんなものでも噛み砕いてしまいそうですね。本作は世界各地の展覧会でも披露されています。どこにでもある日常的なモノと技術を再構成した、近代文化を再定義するアートを体感してみてはいかがでしょうか?
<森美術館>
「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」
いま、世界が注目する日本建築。その独創的な発想と表現を可能にした遺伝子があるとしたら何か。本展は、縄文の住居から最新の現代建築まで100プロジェクト、400点を超える多彩な展示を通して、未来へ伝えたい、日本建築の多様性と可能性に迫ります。展覧会レポートを公開中!建築の奥深さに思わず唸ってしまうこと間違いなしです。
六本木アートナイトでは、視覚に障がいがある方を対象とした、スタッフとの対話を通して作品を楽しむツアー、耳でみるアート「暮らしの中から、建築や街を考えよう」や、磯達雄さん(建築ジャーナリスト)、宮沢洋さん(日経アーキテクチュア編集長)、五十嵐太郎さん(東北大学大学院教授、建築史家)、前田尚武さん(森美術館建築・デザインプログラムマネジャー)によるディスカッション・シリーズ 第1回「激論!『建築の日本展』を語りつくす」も行われます。
さらに、六本木アートナイト開催時には、通常22:00までの開館時間が、翌朝の5月26日(土)の6:00に延長されます。この機会に知れば知るほど面白い建築の世界に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
<街なかミーティング>
「六本木アートナイトをもっと楽しむガイドツアー」
ほかにもたくさんのアートが準備されていますが、これだけたくさんの見どころがあると、どれを見たらいいのか迷ってしまいますよね。そんな時にはアーティストや参加者がひとつになって楽しむ交流型プログラム<街なかミーティング>の「六本木アートナイトをもっと楽しむガイドツアー」に参加してみましょう。ガイドしてくれるのは、ACOPという独自の鑑賞法を踏まえ、美術教育研究者の平野智紀氏による事前トレーニングを積んだボランティアガイド。
毎回400人近くが参加するこのツアーは、一般的な作品知識を伝えるガイドツアーとは異なり、参加者と共に対話を重ねながら作品や六本木の街の魅力へと接近していきます。参加者のキャラクターや人数によっても様相が異なり、2度と同じツアーはないのだとか。まずはツアーに参加して六本木アートナイトを楽しみ、さらにもう一度、自分一人でまわってみるのも楽しみ方の一つです。
<六本木未来会議関連プログラム>
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#11
「街中こいのぼり ワークショップ 2018」
さらに今年は、アイデア実現プロジェクト#11「街中こいのぼり by 須藤玲子」が復活します。テキスタイルデザイナーである須藤さんの「六本木でも、5月になったら街のみんなが参加して、こいのぼりをあげましょう」というアイデアから始まったこのプロジェクトは多くの反響を呼び、去年行われたワークショップはたくさんの笑顔が溢れる、賑やかで楽しいものになりました。今年はどんな"オリジナルこいのぼり"が出来上がるのか、今からワクワクします。
須藤さんがデザインした約300匹のこいのぼりが展示室をダイナミックに泳ぎまわる「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」の展覧会レポートも公開中です。あわせてご覧ください。
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#16
インサイドアウト・プロジェクト IN JAPAN presented by Reborn-Art Festival by 小林武史
これまでに129カ国、260,000人以上の人々が参加しているプロジェクト「INSIDE OUT」。大都市から紛争地帯と様々な場所で、そこに住む人々のポートレートを巨大なポスターとして街に貼り出し、一人一人の語られない物語を街に映しだしています。
今回は、宮城県石巻市で開催されたリボーンアート・フェスティバルとのコラボレーションにより、東北の被災地を巡った撮影室とプリンター付きのトラックがアートナイトに登場します。このプロジェクトは、音楽家&音楽プロデューサーの小林武史さんがクリエイターインタビューにて語ったアイデアを実現したもの。小林さんはこのコラボについて「都市の見方が変わる体験になったり、気づきにつながったりしていく媒体になれば」という願いを込めています。この大きなトラックは、今度はどんな人々の物語を紡いでくれるのでしょうか?
epa! / 武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジ
「Colorized Night」
日本フィルハーモニー交響楽団×インビジブル
「クラシックなラジオ体操」
information
「六本木アートナイト2018」
テーマ:街はアートの夢を見る
開催場所:六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
開催日時:2018年5月26日(土)10:00~5月27日(日)18:00
<コアタイム>5月26日(土)18:00~5月27日(日)6:00
※コアタイムはメインとなるインスタレーションやイベントが集積する時間帯です。
入場料:無料(但し、一部のプログラムおよび美術館企画展は有料)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):http://www.roppongiartnight.com/2018/about.html
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#11
「街中こいのぼり ワークショップ 2018」
開催会場:東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
※雨天・荒天の場合はプラザB1Fで実施
開催日時:2018年5月26日(土)14:00~15:30
参加費:無料
定員:先着20名
参加クリエイター:須藤玲子/テキスタイルデザイナー
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#16
インサイドアウト・プロジェクト IN JAPAN
presented by Reborn-Art Festival by小林武史
開催会場:東京ミッドタウン プラザ1F、B1F
開催日時:2018年5月24日(木)17:00~5月27日(日)5:00
参加費:無料