六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」、2016年に開催した「六本木未来会議BOOKキャラバン」でも展示したものです)。
今回は、菅野薫さんが選んだ『マイルス・デイヴィス自伝』(著・マイルス・デイヴィス、クインシー・トゥループ/翻訳・中山康樹/シンコーミュージック)
菅野さんのコメント
何回も読みましたが、なかなかひどいんですよ(笑)。彼はジャズがやりたいというより、常にブラック・ミュージックのスターでありたかった人。ジミ・ヘンドリックスが出てきたら「世界最高のロックバンドをつくる」と言い出したり、80年代に復帰を遂げたときはマイケル・ジャクソンに嫉妬したりして。常にその時代の最先端の音楽と自分の表現をどう総括するかと向き合っている。結果全く違う音楽になっていたりするんですけど、トップスターでありたい感じと、ずっと自慢話しかしていない感じがクリエイターってこうだよなあ、と思わせてくれて好きなんですよね。
ジャズの巨匠マイルス・デイヴィスが、これまで関わったミュージシャン、女性関係、黒人差別について赤裸々に語った一冊。原書は1989年に刊行され、日本版は長らく絶版になっていた。2015年に復刊した本書は500ページ超の大作で、原書に掲載されている写真も新たに追加されている。
菅野薫さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #088
菅野薫(クリエーティブ・ディレクター)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/88_1/