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【展覧会レポート】サントリー美術館「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」

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update_2017.12.08

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壺 ≪ポプリ・エベール≫ 器形:ジャン=クロード・デュプレシ(父)
装飾:ジャン=ジャック・バシュリエ 1757年

現在、サントリー美術館では2018年1月28日(日)まで、「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」が開催中です。本展は、セーヴル陶磁都市の所蔵する作品によって、セーヴル磁器の創造の軌跡を紹介する、日本で初めての展覧会です。さらに、国立セーヴル陶磁美術館のコレクション展が日本で開催されるのは、20年ぶりのことなのだとか。マリー・アントワネットのいた18世紀のものから、草間彌生さんやnendoが作成したものまで、幅広い年代の作品が楽しめます。

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「シメールのティーセット」 器形:アルベール=エルネスト・カリエ=ベルーズ
装飾:アシール・ボンニュイ 1892-93年

1740年にパリ東部のヴァンセンヌ城内に開かれた、セーヴルの原型となるアトリエは、当時の国王ルイ15世の財政的援助を受けたことをきっかけに、大きく成長していきます。その後、王の寵姫ポンパドゥール夫人の進言から、窯がヴェルサイユ宮殿に近いセーヴルに移転・拡充され、1759年には正式に王立磁器製作所となりました。

展覧会は、「18世紀」「19世紀」「アール・ヌーヴォーとアール・デコ」「1960年代~現在」の4章で構成され、歩を進めるごとに約300年という長い歴史を、展覧会スペシャルナビゲーターである女優の賀来千香子さんの音声ガイドと共に辿ることができます。

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展覧会プレビューに登場した賀来さん。プライベートで美術展や歌舞伎を鑑賞する際にもよく音声ガイドを使用するそうで、「だから、展覧会を見るのには、時間がかかるんですよね(笑)。でも、とても豊かな時間になります」とコメントされていました。本展覧会については、「これだけ素晴らしい作品を一度に見ることができるのは、本当に貴重です。実際に磁器を見てみると、想像していたよりはるかに美しくて色鮮やかでした」と感想を述べていました。展覧会を見る前は、もっと磁器が古びているのではないか、と思っていたそうです。

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(左から)ルイ16世/王の胸像 ルイ=シモン・ボワゾに基づく 1777年
マリー・アントワネット/王妃の胸像 ルイ=シモン・ボワゾに基づく 1777年

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マリー・アントワネットのための乳房のボウル
(ランブイエの酪農場のためのセルヴィスより)
ルイ=シモン・ボワゾ、ジャン=ジャック・ラグルネ 1787-88年
(C)RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Martine Beck-Coppola / distributed by AMF

入ってすぐの展示室で来館者を歓迎してくれるのは「ルイ16世/王の胸像」と「マリー・アントワネット/王妃の胸像」、そして本展の目玉の一つでもある、「マリー・アントワネットのための乳房のボウル(「ランブイエの酪農場のためのセルヴィス」より)」です。

このボウルは若き王妃がランブイエの酪農場に滞在する時のために作られた食器セットの一つです。古代ギリシャで使われていた乳房形の杯「マストス」に着想を得た本作ですが、その艶やかさや美しさから、王妃の乳房をかたどったのではないかと言われたほど。

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大皿(ルイ15世の「ブルー・セレストのセルヴィス」より)
器形:ジャン=クロード・デュプレシ 1754-55年

中央の可憐で細やかな絵、そして縁の鮮やかなブルーが印象的なのが「大皿(ルイ15世の「ブルー・セレストのセルヴィス」より)」。このブルーは、1753年に王立磁器製作所に所属する化学者ジャン・エローによって開発された新色であり、「王のブルー」の異名をとりました。その後、ブルー・セレストはフランス国王の食器カラーとして頻繁に使われるようになります。

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(手前から)カップと窪んだソーサー 1763年、蓋付カップと窪んだソーサー 1765年
カップと窪んだソーサー 1765年、カップと窪んだソーサー 1765年

この「カップと窪んだソーサー」の装飾は、当時流行していた異国のドレスからインスピレーションを受けたものです。1760年代の女性の洗練されたお洒落は、服やアクセサリー、バッグ、日傘などを統一された装飾で揃えること。そこには、お茶を楽しむために使うカップとソーサーも含まれました。その日の服装ごとに使う食器を変えるなんて、とても贅沢ですよね。

このようにセーヴルは、常に時代の流行や好みに合わせてしなやかに変化し続けてきました。上流階級の陶器へのこだわりが、セーヴルを成長させていったと言っても過言ではないでしょう。

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中国風の面取りされたティーポット
アレクサンドル=エヴァリスト・フラゴナール 1827年

18世紀の終盤にフランス革命が起こり、大きな政治的混乱が生じたにもかかわらず、セーヴルは国有の製作所として存続しました。1827年に制作された「中国風の面取りされたティーポット」は、それまでになかったようなエキゾチックな色合いが取り入れられています。上半分には想像上の東方の絵が、下半分にはこれまでの西洋の模様が描かれ、このスタイルは「寄せ集めの中国風」と呼ばれています。注ぎ口の獅子の顔、取っ手のしっぽがなんとも可愛らしいです。

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お菊さん 沼田一雅 1904年(1920年版)

セーヴル製作所に迎えられた外国人初の「協力芸術家」は、実は日本人の彫刻家、沼田一雅さんです。

沼田さんは二度にわたり渡仏して工房に滞在し、日本的題材の彫刻原型を寄贈しました。写真は、その中の一つである「お菊さん」。ここのブースに置いてある作品は、写真撮影ができるということで、中には本格的なカメラで作品を撮影する人もいました。

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≪ゴールデン・スピリット≫ 草間彌生 2005年
(C)Sèvres, Cité de la céramique, Dist. RMN-Grand Palais / Gérard Jonca / distributed by AMF

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公式サイトやパンフレットにも載っていて、興味を抱いた方も多いであろうこの作品は、草間彌生さんによる「ゴールデン・スピリット」。大きく見開かれた赤い眼は一体何を見ているのでしょうか? 背中に「YAYOI KUSAMA 2005」の文字が彫られた本作は、パリのギャラリー「GALERIE PIECE UNIQUE」と共同で発表されました。

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花器≪Sakura≫ ネンド 2016年

側面の円窓から慎み深く桜の花枝を覗かせているのは、デザイナーの佐藤オオキさんが率いるnendoによる「花器≪Sakura≫」。小さな花びらは、パスティヤージュという手びねりによる技法で作られているそうで、まさに職人技といったとこでしょうか。シンプルでありながら、穏やかで洗練された見た目からは、「わび・さび」の美意識を感じることができます。

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カップとソーサー「ジャスマン」 1811年

今回紹介した作品は、セーヴルの長い歴史から見たらほんの一部ではあるものの、130件近くの作品が、それぞれの背景を持ちながらセーヴルの歴史を物語っています。今なお愛され続けるセーヴルの歴史とその秘密にぜひ触れてみませんか。

編集部 髙橋




information
「六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」
会場:サントリー美術館
会期:2017年11月22日(水)~2018年1月28日(日)
休館日:毎週火曜日(※1月2日、9日、16日、23日は18時まで開館)
※12月30日(土)~1月1日(月・祝)は年末年始のため休館
開館時間:10:00~18:00(金・土は10:00~20:00)
※1月7日(日)は20:00まで開館
※12月29日(金)は18:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
入場料:当日一般1,300円、大学生・高校生1,000円、中学生以下無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します): http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_6/
※掲載画像の作品はすべてセーヴル陶磁都市蔵

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