六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、内藤廣さんが選んだ、『定義』(著 谷川俊太郎/思潮社)。
※紹介する詩「なんでもないものの尊厳」は『谷川俊太郎 詩選集2』(集英社文庫)にも収録されています。
内藤さんのコメント
古本屋で出会った『定義』という詩集の一編「なんでもないものの尊厳」がとてもよくて、ずっとノートに貼っているんです。僕らが3.11以降に、大切にしようとしているものや気づいたものは、なんでもない日常のなんでもないもの。そんな「なんでもないもの」を区別したとたんに「なんでもなくなる」という、谷川俊太郎さんの視点が非常に興味深く、そして考えさせられる詩です。
「なんでもないもの」が「なんでもないもの」になるためには、他と比較をしてはいけない。それぞれが、それぞれらしく振る舞うことが「なんでもない」ということかもしれません。私たちが日常的に何の疑問もなく使っている言葉について、あらためて前向きに考えさせてくれる一編でした。
内藤さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #70
内藤廣(建築家)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/70_01/