六本木エリアのギャラリーを編集部スタッフの目線で紹介する「六本木ギャラリー探訪」。今回は、六本木交差点から下った芋洗坂の途中にある「hiromiyoshii roppongi」を訪ねました。写真家・篠山紀信さんなど大御所から、国内外の若手まで多彩なクリエイターを取り扱っている現代アートギャラリーです。
実はこちらのギャラリー、2015年1月に「デザイン&アートツアー」で訪れたことがあります(そのときの様子はこちら)。1年ぶり2度目の来訪となった今回は、ヒロ杉山さんの個展「spotlight」が開催中でした(10月1日(土)まで)。
お話してくれたのはスタッフの森川敬介さん。アメリカの大学でアートを学んだのち、こちらに勤めて6年目。まずはギャラリーの仕事の魅力についてたずねてみると、「クリエイターとの交流」にあるのでは、と教えてくれました。
「私たちは現代アートを基本に、ジャンルレスに作品を取り扱っています。今回展示しているヒロ杉山さんも、アート作品だけでなく広告も手がけていますし、DJやVJなど活動も幅広い。そんなクリエイターの方々と話し、やりとりしていると、作品への理解や愛着がぐっと深まります。それに、個人的にもすごく刺激を受けるんですよ」
今回の展示で森川さんが特にお気に入りだというのがこちら。同じ雑誌から切り取ったページをコラージュした作品シリーズで、異なる4つのイメージから物語性を感じられるのが面白いと言います。ちなみに1点18万円、すでに何作品かが購入されたそうです。
「これまでも、現在森美術館で開催中の『宇宙と芸術展』に出展しているビョーン・ダーレムや、ストリートアートをテーマにしたグループ展、白井晟一の書まで、さまざまな領域を横断して展示してきました。オーナーの吉井仁実がセレクトする展示作家の多彩さ、幅広さが、私たちのギャラリーの特徴ですね」
そしてもうひとつの特徴が、バーを併設していること。オープニングイベントのときなどは、写真の扉を開放して、隣接するバーとギャラリーをつなげるのだそう。
「ギャラリーに加えてバーも運営しているのは、吉井の『アートはコミュニケーションツール』という考えから。ここでは、作品を観賞したあとにお酒を飲みながら交流をすることができます。欧米では一般的なスタイルですが、日本ではまだ少ないようですね」
最後に、「デザイン&アートの街」としての六本木の現状について聞いてみると、「アートに興味を持つ人は確実に増えていると感じています」との答えが。
「マップ片手にギャラリー巡りをしている人がたくさんいますし、特にここは通りに面した1階にあるせいか、通りがかった人がふらりと立ち寄ってくれることも多いんです。六本木にはギャラリーもますます増えて、ギャラリー同士の交流も活発になってきました。今後、六本木の街全体が、ひとつのギャラリーコンプレックスのようになっていくといいなと思っています」
ちなみに10月21日(金)から23日(日)に開催される「六本木アートナイト」に参加する予定で、期間中は開廊時間を延長。みなさんもアートナイトを機に、ぜひ訪れてみては?
編集部 飯塚
information
「hiromiyoshii roppongi」
住所:東京都港区六本木5-9-20
TEL:03-5772-5233
開廊時間:13:00~19:00
休廊日:日曜、月曜、祝祭日
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://hiromiyoshii.com