六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、服部滋樹さんが選んだ、『共同体の基礎理論』(著 大野久雄/岩波現代文庫)。
服部さんのコメント
共同体、つまりコミュニティの話ですが、そもそも私たちの生活とは何だったのでしょうか。経済が20世紀に成長したおかげで、「経済」というカテゴリが生まれた。生活がベースにあって、そのなかに経済が入っていったのに、生活と経済が横並びで語られていること自体がおかしい。そういった書き出しで始まります。都市と田舎のコミュニティを比較したりと、これは最高に面白い一冊です。
本著は、「共同体」とは一体何なのか、という疑問に対する基礎的な教科書。資本主義以前の社会にまで遡り、マルクス主義を根底に置きながら共同体の成立・本質を分析しています。
戦後の改革時代に著されており少し古く感じるかもしれませんが、現代の共同体を考えるためのヒントにもなるのではないでしょうか。
服部さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #64
服部滋樹(graf代表)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/64/