毎年恒例、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)による、日本のグラフィックデザインを総括する展覧会が開催中です。ポスターありロゴあり、商品パッケージから空間デザインまで、約300点の最先端のデザインに触れられる展覧会におじゃましてきました。
この展覧会は、年鑑『Graphic Design in Japan』の掲載作品を展示するというもの。JAGDA初代会長・亀倉雄策さんの功績を讃えて創設された「亀倉雄策賞」、各カテゴリーの優秀作品を表彰する「JAGDA賞」など、受賞作品が並びます。六本木未来会議でもおなじみのクリエイターのみなさんの作品もたくさん。
こちらは、パッケージデザインが集められたコーナー。食品、化粧品、雑貨、さまざまな商品のデザインが並びます。
葛西薫さんの作品もありました。クリエイティブディレクターを務める「とらや」の限定商品のパッケージ、なんともかわいいイラストレーションは『きょうの猫村さん』でおなじみの、ほしよりこさん。
こちらにはブックデザインが集合。ひとくちに「本」といっても、文庫にハードカバー、中綴じのフリーペーパーから豪華な装丁本までいろいろです。
たとえば、原研哉さんが手がけたのは、無印良品のコンセプトブック『素手時然』。無印誕生35周年に発行、書物や記録の中から集めた文章と写真が収録されています。ちなみに原さんも著者のひとり。
モニターで投影しているのは、映像作品やインタラクティブデザインなど。映っているのは岡崎智弘さんが21_21 DESIGN SIGHT「単位展」に出品した作品を撮影したもの。そのほか、キギの渡邉良重さんや柿木原政広さんによる動画など、盛りだくさん。
プロダクトデザインが並ぶコーナーも。バッグやゲーム、器などが並ぶ中、なんだか見覚えのあるマトリョーシカの姿が。これ、わかりますか? 小西利行さんの会社が運営する「スナックだるま」のツールです。デザインを手がけたのは、宮内賢治さん。
そのほか、グラフィックデザインといえば、忘れちゃいけない新聞・雑誌広告も壁一面に。
ロゴや空間デザインなどは、パソコンモニターに次々と映し出されていました。
展示スペースを大きく占めるのはポスター。写真のファッションブランド「KOE」のアートディレクションを手がけたえぐちりかさんは、次回クリエイターインタビューに登場予定です。
そして、今年「亀倉雄策賞」を受賞したのは、三木健さん。作品は、「りんご」を起点に観察と想像を繰り返すという、自身が考案した教育メソッド「APPLE」の展覧会ポスター。作品に施されているのは「錯視」の仕掛け、教育メソッドのコンセプトをそのまま体現したかのようなデザインです。
会期は8月8日(月)まで。期間中はトークイベントのほか、7月1日(金)・2日(土)に「六本木未来会議 デザイン&アート特別ツアー」を開催(事前申し込み制、定員に達し次第募集締め切り)。そのほか、6月27日(月)からは「六本木未来会議BOOKキャラバン」も、会場に隣接した武蔵野美術大学 デザイン・ラウンジに登場しますよ。こちらもぜひご参加ください!
編集部 飯塚
information
「日本のグラフィックデザイン2016」
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:6月17日(金)〜8月8日(月)11:00〜19:00 ※会期中無休
入場料:無料
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
http://designhub.jp/exhibitions/2318/