六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本の一部は2014年に開催した「森の学校」の図書室と、2015年に開催した「六本木ブックフェス」でも展示したものです)。
今回は、米山勇さんが選んだ、『木を植えた男』(著 ジャン・ジオノ/あすなろ書房)。
米山さんのコメント
フランス、プロヴァンスの不毛の地に、毎日100個のどんぐりを植え続けた男、エルゼアール・ブフィエの物語。ジャン・ジオノの原作に基づくフレデリック・バックのアニメーション作品を絵本にしたものである。
ブフィエが植えたどんぐりは、10年後に1万本のカシワの木に成長した。彼はさらにカバの木立や小川のせせらぎさえも創り出し、かつて村人がいがみ合い、荒廃していた地を幸福な風がそよぐ地へと変貌させる。それは、他者から見たら「奇跡」であったが、ブフィエにとっては、自分の行為が将来実を結ぶと確信し、毎日淡々と同じ作業を繰り返した結果にすぎなかった。
静かな感動が、創造することのすばらしさと尊さを教えてくれる一冊。
本作はジャン・ジオノが1953年に発表した短編小説を原作にした絵本で、1987年には映画化され、同年のアカデミー賞短編アニメ部門も受賞しています。荒涼とした無色の土地に、こつこつとを木を植えることで世界に色をつけていくひとりの男。派手ではありませんが、静かな中にも未来へのダイナミックな展望が感じられる作品です。
チームけんちく体操のけんちく体操博士としても活動されている米山さん。
そんな米山さんにご参加いただいたプロジェクトの様子もあわせてどうぞ。
六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#04 森の学校
米山勇(建築史家)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/project/no4_5/