6月19日から開催されている21_21 DESIGN SIGHTの「動きのカガク展」は、その名のとおり、動きの仕組みを体感できる展覧会。ディレクターを務めるのは、先日、クリエイターインタビューに登場した<菱川勢一さん。オープン前日、こちらのプレスプレビューにおじゃましてきました。
「『ドラえもん』などのアニメや、雑誌や映画が描いてくれていた、ワクワクするような面白い未来を入れたいと思った」と菱川さんがクリエイターインタビューで語っているとおり、会場には見たことがないような動きをする作品がたくさん(写真はパンタグラフ「森のゾートロープ」)。しかも、実際に触ったり参加できるものが多いのがいいところ。
たとえばこちら、岸遼さんの「アトムズ」という作品。宙に浮いているように見える白い球は......本当に宙に浮いています。筒から吹き上げる風を利用した仕組みで、白い球には自由に触れてOK。つい何度もさわってしまいました。
ちょうど会場にいらっしゃった菱川さんも、あれこれさわりながら説明してくれました。こちらは手元の装置を動かすと、糸でつながった奥の振り子が連動してさまざまな動きをする「プロジェクト・モーション/サイクル」という作品。東北工業大学の学生が制作しました。
こちらの作品は、光の点滅するブースの中で傘を回すと、描いてある絵がアニメーションのように動く「ストロボの雨をあるく」という作品なのですが......。写真でお伝えすることが難しすぎたので、最終的に出展者・パンタグラフのおふたりを撮らせてもらいました(笑)。
「傘って、くるくる回したくなりますよね。その動きを回転アニメーションと組み合わせました。傘に描かれた魚が泳いだりしますよ!」
体験型の作品以外も。こちらは、ミラーを組み合わせたオブジェがうねうねと有機的に形を変える「リフレクション・イン・ザ・スカルプチャー」(生永麻衣+安住仁史)。本体の動きに合わせて、光の反射が生み出す模様も変動。
列車模型に仕込まれたLEDがセロハンテープなど日用雑貨の影を投影する「ロスト #13」という作品(クワクボリョウタさん)では、影の形が刻々と姿を変えます。どれも「動き」がテーマだけに、やはり写真でその魅力をお伝えするには限界がありますね......。
個人的にぐっときたのが、制作に使われた道具の展示とともに、一つひとつの作品につけられた解説文。菱川さんが手書きで、その作品の見どころを、ふせんのような紙にラフに書いています。
そのひとつ、「動きのカガク展 ドキュメント映像」(ドローイングアンドマニュアル)に書かれていたこんな言葉に、今回の展覧会の魅力が集約されているような気がしました。
「作品制作の結果を見て『すごい!』と思うだけではなく、それに至る過程を『すごーい!』と感じてほしい」
会期が夏休みと重なっているので、子どもはもちろん、大人も自由研究気分で楽しめるこちら。気になる人は、ぜひ体験してみてください。
編集部 飯塚
information
「動きのカガク展」
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:6月19日(金)~9月27日(日)10:00~19:00
※ 火曜休館
入場料:一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
http://www.2121designsight.jp/