2013年に開催された、通称「ももも展」の続編が東京ミッドタウン・デザインハブで開催中です。「デザインとは一見無関係なものにデザイン的な要素を見出す」という趣旨の、ちょっと変わった企画展におじゃましてきました。
訪れたのは、六本木アートナイトが開催中の4月25日。この日は出展クリエイターによるワークショップ「◯◯◯も◯◯◯も◯◯◯も中学校」(ももも中)が行われていました。
たとえば、これは「国語」の授業。ピカソが使っていたことでも知られる手帳「モレスキン」のファンサイト「moleskinerie.jp(モレスキナリー)」の運営を行っている方が講師となり、オリジナルノートを制作中。みなさん、夢中になってます!
そのモレスキナリーの展示がこちら。モレスキンユーザーが実際に使用したノートが並べられていました。細かい文字でびっしり書き込まれたメモや、緻密に残された行動記録など......。これだけ見ていても一日経ってしまいそうなほど、見応えたっぷり。
他にも、普通の展覧会では見られないような展示がたくさん。こちらはなんと、すべて想像で描かれた架空の地図。いかにも"ありそう"な都市の地図が、細部までこれでもかと描き込まれています。
個人的に特に興味を引かれたのがこちら。一見、なんてことない普通の部屋に見えるのですが......。
机上のクリアケースの引き出しを開けてみると「不透明な事件簿」と題されたマンガが! ほかにもテーブルの端や衣類、ベッドの裏まで、いたるところにマンガがこっそり(!?)描かれていました。作品に添えられた説明文に「一生懸命描きました」とあるとおり、並々ならぬ努力がうかがえる力作でした。
この日は、ディレクターのみなさんが勢揃い。せっかくなのでと、記念に撮らせていただきました(左から、飯田将平さん、江口宏志さん、元木大輔さん、橋詰宗さん)。座っているのは会場で展示什器として使われている紙の土管、みなさんなぜかうれしそうな表情(笑)。
最後に、「ももも展」を企画した橋詰さんにお話をうかがいました。
「今回で2回目の開催、今回もワークショップに力を入れています。若い人に、観るのと手を動かすのをセットで体験してほしい。学校でも美術館でもやらないような、いわば"心地よいアカデミズム"を提供したいんです」
「この展覧会は、いわば大人版の自由研究。中には今回、初めて展覧会に出展する人もいて、参加したみなさんと試行錯誤してつくり上げました。幅の広すぎる展示なのにまとまって見えるのは、会場構成の元木さんのおかげですね」
「本来、このデザインハブという場所は、『これ"が"デザインだ』というものが展示される場所。この『が』に対して、『も』という言葉を見つけたのが企画のスタートでした。(デザインとは一見無関係な)『これ"も"デザインだ』と提示することで、より本質的な"デザインの考え方"を感じ取ってもらえればと思います」
編集部 飯塚
information
「東京ミッドタウン・デザインハブ第51回企画展
◯◯◯も◯◯◯も◯◯◯も展:◯◯◯も◯◯◯といえる」
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ(ミッドタウン・タワー5F)
会期:4月17日(金)〜5月31日(日)11:00〜19:00
※ 会期中無休
入場料:無料
http://designhub.jp/exhibitions/1495/