先日、第12回六本木デザイン&アートツアーが開催され、六本木未来会議読者のみなさんと、六本木ヒルズ・森美術館に行ってきました。今回は、現在開催中の「ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界」(8月31日まで開催)を、森美術館のアソシエイト・キュレーター、椿玲子さんの案内で巡ります。
森美術館といえば、ご存じのとおり、森タワーの53階にある美術館。エスカレーターやエレベーターを乗り継いで、展示会場に向かいます。
建築家・光嶋裕介さんと行った「六本木建築散歩」など、外から眺める機会はありましたが、未来会議のツアーで訪れるのは初めて。高いところにあるというだけでもなんだかワクワクしてしまうのは、私だけでしょうか?
会場に到着すると、さっそく椿さんによる解説がスタート。「ゴー・ビトゥイーンズ展」は、世界各国のアーティストの作品に登場する子どもの姿を通して、世界を展望しようという展覧会。異なる文化、現実と想像の世界の間、大人と子どもの間など、境界を自由に行き来し、つなぐ、子どものポテンシャルに注目しています。
椿さんは、本展に出展している何名かの作家を担当されたそうです。
会場に展示されているのは、現代の作家たちの作品を中心に、ジャン・オー「パパとわたし」シリーズ(2006年)のような写真もあれば......。
近藤聡乃「きやきや」(2010-2011年)のようなアニメーションや実写の映像もあり......。
中にはこんなインスタレーション(照屋勇賢「未来達」(2014年))も。
奈良美智さんや梅佳代さんなど、日本はもちろん、韓国、中国、アメリカ、フランス、オーストラリア......さまざまな国の作家の作品が、「文化を超えて」「大人と子どものはざまで」といった5つのセクションに分かれて展示され、とても見応えがありました。
館内には、子どもが作品の感想を書き込めるミニブック「キッズ・ワークシート」が用意されていて、ツアー参加者のお子さんも夢中に!
「まだ1歳半ですか? こんなに小さい子に森美術館に来ていただけるなんて素晴らしい(笑)。将来はアーティストになっちゃうかもね......」と、椿さんも参加者のみなさんもほのぼの。
最後に訪れた、約250冊の絵本が集められた「えほんのとしょかん」というコーナーでの質疑応答をへて、ツアーは終了となりました。
ツアー終了後、椿さんに少しだけお話をうかがいました(手にしているのは、椿さんおすすめの『つきのぼうや』という絵本)。
「今回の展覧会は、キュレーターの荒木夏実がさまざまな境界を往来する子どもの性質に焦点を当てて構成した企画展です。『どんなじごくへいくのかな、東京』という山本高之さんのインスタレーションや、梅佳代さんの写真など、私自身大好きな作品がいくつも。これらの作品は、どこか明るくて想像力豊かなところ、自由なところがいいんです。ぜひ、子どもの頃に立ち返って、子どもの目線で観ていただきたいですね」
ツアーレポート本編は、8月20日に公開予定。展覧会もまだまだ開催中なので、ウェブで予習(あるいは復習)してくださいね!
編集部 飯塚