先日、六本木未来会議公開インタビューが行われました。登場したのは、現代美術家で、京都造形芸術大学や東北芸術工科大学で副学長も務める、宮島達男さん。LEDを使用し、たくさんの数字がランダムに明滅するデジタルカウンターの作品で世界的にも知られています。
けやき坂のテレビ朝日外壁にある巨大なパブリックアート「カウンター・ヴォイド」も宮島さんの作品。東日本大震災以降は消灯しているため、スクリーンいっぱいに数字が点滅する本来の姿を見たことがない人もいるかもしれません。
今回のメインビジュアルの撮影は、そのカウンター・ヴォイドの前で行われました。撮影した画像を、カメラマンとともにiPadで確認する宮島さん。このあと東京ミッドタウンに移動し、いよいよインタビューのスタートです。
ちなみに、今回の公開インタビューは、参加人数を限定し、事前予約制で行われました。会場は、「日本のグラフィックデザイン2014」展が開催中の、東京ミッドタウン・デザインハブ。
話題の中心はやはり、主にカウンター・ヴォイドについて。というのも、この作品の再点灯について考える「光の蘇生」プロジェクトが現在進行中なんです。インタビュアーを務めた、東京アートポイント計画のディレクターで、東京都歴史文化財団の森司さんも、このプロジェクトに深く関わっています(主催は東京文化発信プロジェクトとNPO法人ArchART)。
ほかにも、デジタルカウンターの作品の意味や、東日本大震災以前と以後のアートの違い、パブリックアートのあり方についてなど、興味深い話がたくさん。
インタビューの最後には、参加者の方一人ひとりに、付箋に質問を記載してもらいました。この大量の質問をテキパキとさばき、時間内で紹介し切った森さんの仕切りの見事さには、宮島さんも「まさか全部の質問を取り上げるとは(笑)」と脱帽していました。
終了後に行われた参加者のみなさんとの交流会では、森さんから「ちょっと宣伝させて」と、あらためて「光の蘇生」プロジェクトの紹介が。ちなみに、こちらのサイトにメールアドレスを登録すると、最新情報が送られてくるとのこと。みなさんもぜひ!
「宮島さんに『何か新しいことやりましょうよ』と言ったら、『再点灯したいんだよね』と面倒なことを言われたんですよ(笑)」と森さん。宮島さんのことをふざけて「お父さん」と呼ぶなど、終始息がぴったりのおふたり。
こちらは参加者からの質問に、丁寧に答える宮島さん。積極的に話しかけていた真ん中の女性は、宮島さんが今興味を持っていると語ったパフォーミングアーツについて質問していました。
「『自分の作品は全部パフォーマンスだと思っている。作品は置かれた場所でパフォーマンスし続けているんだ』っておっしゃっていたのが新鮮でした」とのこと。
こちらの方は、カウンター・ヴォイドが設置された2003年から消灯された2011年の間、ちょうど六本木で働いていたそう。「この作品のおかげで、六本木がアートでエッジなイメージになりました」という感想に、「こうやってみんなに、嫁いでいった"娘"をかわいがってもらえてうれしいですね」と宮島さん。
インタビュー本編は、8月6日に公開予定。「光の蘇生」プロジェクトの動向に注目しつつ、公開を楽しみにお待ちください!
編集部 飯塚