今回から新連載「デザイン&アートの本棚」がスタート。六本木未来会議に登場してくれたクリエイターのみなさまが「クリエイションのスイッチを押してくれる一冊」として推薦してくれた本を毎週紹介していきます(紹介する本は2014年に開催した「森の学校」の図書室でも展示されていたものです)。
記念すべき第1回目は、深澤直人さんが選んだ、『HELLO WORLD 「デザイン」が私たちに必要な理由』(アリス・ローソーン著、石原薫訳/フィルムアート社)。
深澤さんのコメント
アリス・ローソーンはデザイナーからもっとも敬愛されるデザイン評論家で、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙にデザインについてのコラムを書いていた。
インタビューのとき私は不思議な感覚をおぼえた。彼女は質問に対する私の答えをすでに知っている気がしたのだ。同時にこの膨大なデザインの知の集大成を読みながら既知感覚ともいえる共感の喜びを感じている自分がいることにも気付いた。
この本は「デザインの事実」だし、論理ではなく「デザインの定義」の多義性を何一つ漏らさず詰め込んでいる。デザインという危うい美的な印象を持ちかねない言葉に疑いをも持つ、誰もの矛盾する本音にはっきり触ってもいる。
「デザインとは何か」。デザインはこの一冊で理解し尽くせると確信している。
デザインの起源や歴史、デザインとアートの違い、いいデザインと悪いデザイン......。深澤さんが「この一冊で理解し尽くせる」というのも納得、400ページを超える大著ながら実例が豊富で、デザインに詳しくない人でも読みやすい一冊です。
深澤さんのインタビューもあわせてどうぞ。
クリエイターインタビュー #38
深澤直人(プロダクトデザイナー)
http://6mirai.tokyo-midtown.com/interview/38/
六本木未来会議 編集部