「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2013」の最終日、11月4日に、第4回六本木デザイン&アートツアーが行われました。今回の内容は、雑誌『日経デザイン』編集長の下川一哉さんをガイドに招いて、デザインタッチの会場を案内してもらうというもの。
会場では、東京ミッドタウンでは初の開催となる「グッドデザイン賞」の受賞作全点を紹介する「グッドデザインエキシビション」や、ミッドタウン・ガーデンに設置された迷路のようなアトラクション「ミッドパーク・ダンジョン」など、数多くのイベントが開催中。それら最新のデザインに実際に触れながら、午前と午後の2回、それぞれ約90分にわたって解説していただきました。
ちなみに『日経デザイン』は、デザインをビジネスや社会の問題 解決の手段と捉える定期購読者向けの専門誌。下川さんは2008年から編集長を務めています(美大出身者以外では初の編集長だそう!)。豊富な知識をわかりやすい言葉で解説してくれる下川さんのお話は、素人の私が聞いても「ためになるなぁ」と思えるものでした。
ツアーには、デザイナーや商品開発など、実際に仕事としてデザインに携わっている方も多く参加されていて、合間に交わされる会話もとてもディープ。下川さんも「まさか太陽の下でこんな深い話をするとは」と笑っていたほど。
詳細は本編でお楽しみいただくとして、ここではちょっとだけ裏話を。ツアー中、デザインコンペ「Tokyo Midtown Award」の展示作品を解説する際、「"コンペ必勝法"っていうのがあるんですよ」と、こっそり(?)教えてくれた下川さん。
「たとえば地方自治体が主催しているコンペなら、その土地にはどんな産業があるのかを調べるんです。木工の産地なのか、陶磁器の産地なのか。木工の産地なのに陶磁器の提案をしても通らないですよね?」
「主催者を研究する」、これが必勝法その1。すると、一次審査ではじかれる確率はぐっと低くなるそう。さらに、「僕が審査員だったら、『問題解決』っていうキーワードを出しておくと一次審査は通ります(笑)」ということで、「審査員を研究する」のが、必勝法その2。
最後は「テーマを研究する」こと。たとえば「家族」がテーマだとすれば、家族が食卓で幸せにしているところを想像するだけではなく、そういう場がなくなりつつある現状を認識して、それを補う提案にする。
「デザインはもちろん重要ですが、テーマに対する深読みがなされていてコンセプトがしっかりしていれば、最終審査まで残る可能性も高まりますよ」
年間10回以上は、デザインコンペの審査員を務めるという下川さんの説得力ある言葉に、参加者のみなさんも編集部スタッフも「へえ〜」とうなずきながら聞き入っていました。
ということで、記事本編は11月20日(水)に公開されます。どうぞお楽しみに。
編集部 飯塚