六本木で働く・住む人に、街についてのインタビューをリレーで繋げる当企画。バトンを受け取ったのは、前回の栗原さんの仕事仲間で、ウェブ専門の映画宣伝会社を営み、さらにパンクバンドを主宰する立花さんです。
Q 01
六本木といえば_________。(一言で表すと?)
A
"外国人"ですね。
洋の東西を問わず、アメリカ人、ヨーロッパ人、アジア人......聞いてもどこにあるのかわからないような国の人まで、いっぱいいます。人種のるつぼ感と言いますか、他の街とは違って、それが自然に溶け込んでいるのが面白いです。
あるとき、居酒屋で飲んでいたら、一人でぬか漬けを食べながらシークワーサーサワーを飲んでいる外国人がいたんですが、話してみるとグラスゴー出身のロックバンド、フランツ・フェルディナンドのメンバーだったことがあります(笑)。
人だかりができているなと思って見てみたら、外国人タレントだったみたいなことはしょっちゅうですし......。外国人はなぜ六本木を目指すんでしょうね?
Q 02
あなたがオススメする、六本木のベスト3は?(飲食店を含む、あらゆるお店でOK)
A
1位 居酒屋 竹やん
"ザッツ・昭和"的な居酒屋ですね。メニューも、店主のおっちゃんが自ら漬けた漬け物や、そのまま焼いたソーセージなどなど庶民的。六本木にあるのが意外に思える、味のある居心地のいい居酒屋です。ちなみに、フランツ・フェルディナンドと遭遇したのもココ。
2位 磊(いし)の温泉VIVI
いわゆるカプセルホテルなんですけど、男女問わず利用できて、マッサージあり、岩盤浴ありの総合リラクゼーション施設です。昔は仕事で遅くなると毎日のように泊まっていました。行くと必ず知り合いの誰かがいて、風呂に入りながら打ち合わせをし始めたりして(笑)。
3位 あおい書店 六本木店
みんなどんな本を読んでいるのか? どんな棚展開をしてて、どんな本が売れているのか? など、人々の"今"の関心を知るために行くことが多いですね。深夜までやっているし(平日は25:00まで)、客層がとても幅広いのがいいんです。行くと店内を3周くらい回って観察します。
Q 03
六本木にある、お気に入りの景色は?
A
六本木交差点ですね。老若男女、さらに外国人も含めた本当にいろいろな年齢・国籍の人たちが、行き交う光景が好きです。ビジネスマンもいれば夜のお仕事の人もいて、泣いている人もいれば怒っている人もいる。初めて六本木を訪れたときも、面白くてしばらくじっと見ていました。
Q 04
六本木のアフター5の過ごし方は?
A
速やかに帰る(笑)。
仕事が終わると一刻も早く六本木を脱出します。すると、駅に向かう人の波と、駅から出てくる人の波がある。眠らない街・六本木を感じつつ、可愛い外国人の女子とすれ違ってはドキドキしながら家路につくのが、僕のアフター5の過ごし方です(笑)。帰るのはだいたい終電ですが......。
ちなみに僕が住んでいる国立では、夜、帰り道で狸とすれ違うんです。人がたくさんの六本木と、自然たくさんの国立、そのコントラストが面白いですね。
Q 05
六本木ならではのリフレッシュ方法は?
A
子どもの頃からずっとプロレスが好きでして、かつて六本木はアントニオ猪木の新日本プロレスと、ジャイアント馬場の全日本プロレス、その両方のオフィスがあった場所なんですよね。なので近所の喫煙所でタバコを吸いながら、"昭和のプロレス"に想いを馳せてボーッとすることでしょうか(笑)。
Q 06
身の回りのお気に入りのデザインは?
A
ブルース・リーが映画「死亡遊戯」で着ていたトラックスーツです。
僕がやっている"代官山パンク日和"というバンドでは、メンバー全員がこれを着てパフォーマンスを行います。楽器も合わせて黄色です。トラックスーツには2種類ありまして、ブルース・リーが着ていたのはつなぎのタイプ、もうひとつは映画「キル・ビル」でユマ・サーマンが着ていたセパレートタイプ。僕が着ているのは後者です。
ビジネススーツが抑圧とストレスの象徴だとしたら、このトラックスーツは戦いと自由の象徴。ビジネススーツをトラックスーツに替え、社会人のリアルな感情や葛藤をロックで爆発させていくというバンドコンセプトにぴったり......、というのは後付けで、単に着たくてたまらなかっただけなんですけど(笑)。
ちなみに名刺も、黒と黄色でトラックスーツと同色。社名のロゴはセックス・ピストルズのロゴのもじりで、つまり好きなものを詰め込んでいます。プロレスの要素も入れ込みたかったんですけどね、NWFヘビー級ベルトとか、リングス無差別級ベルトとかのデザインを(笑)。
Q 07
六本木をもっと良い街にするには?
A
六本木には、どこかいびつさがあります。ミッドタウンのようなゴミひとつ落ちていないきれいな場所がある一方、ちょっと路地に入るとすごく猥雑。渋谷や池袋とも違って、大きな商業施設と、喫茶店や定食屋など昔ながらの店が、徒歩5分圏内に混在している。映画「ブレードランナー」の近未来的な世界観に似ているかもしれません。物語の中でハリソン・フォードが立ち寄るうどん屋にあたるのが、おすすめの1位に挙げた「竹やん」でしょうね。
僕は「良いか悪いか」という判断はしませんが、面白いかそうでないかで言えば、六本木はすごく面白い街。新しいも古いも、きれいも汚いも、セレブも一般人も、ずっと共存し続けてほしいと思っています。
Q 08
前回出演した方(栗原さん)とのつながりを教えてください。
A
いつも映画宣伝の仕事でご一緒させてもらっている先輩であり、僕なんかがおこがましいですが、たくさんの努力を重ねてこられた凄い方です。
no.012
立花孝之さん
30代・株式会社ノーフューチャー 代表取締役
六本木歴10年