六本木アートナイト2013のプログラムとして行われた、六本木未来会議アイデア実現プロジェクト#01「アートウォールオーケストラ」。『海外のストリートパフォーマンスのように』と語っていた大宮さんの構想通り、通りを歩く人々が足を止め、自由に絵を描き、しゃぼん玉を吹き、笑顔で大宮さんのアートに参加していました。
大宮エリー 今回、アートウォールオーケストラをやってみて、率直に思ったのは予期していなかったいろんなことがたくさん起きるんだな、ということです。今までは展示する場所があって、そこにアートを見に来る人がいる、という環境でやっていたので、通路を歩く人をどう呼び寄せるかという点が難しくもあり、面白かったですね。当日はいろんなアーティストがいろんなことをしているアートナイトという日だったので、最初にイメージしていた海外の地下道で自由に行われているストリートパフォーマンスに結構近づいたんだと思います。
時間と場所を3回に分けてやったので、いろんな発見がありました。参加する人が毎回変わるので、その時間帯ならではの絵ができるんです。これもストリートならでは、といった感じですね。3回目の26時スタートの回は、ちょっと奥まった場所にキャンパスがあったので、人を呼び込むために踊りと音楽を即興ではじめました。ハーメルンの笛吹きみたいに、3人でパフォーマンスしながら人をゾロゾロと引き連れて。銃を持った白雪姫とクロスしちゃったりして面白かったです。今回できた、3枚の絵は『六本ツリー』と今、名付けました。ミッドタウンの通路に、みんなで自由につくった木なんです。
次はぜひ『孤独の電話ボックス』という作品を、実際に六本木の街に置きたいですね。つい最近「思いを伝えるということ展」を仙台でやったのですが、思っている以上に反響がすごくあって。またそれに入りたい触れたいって。だから六本木未来会議で相談にのっていただけるとありがたいですね。
26時にスタートした最終回の直前に、急遽スタートしたバイオリンと三味線とダンスで即興パフォーマンス。言葉で伝えることもなく、音楽とダンスとしゃぼん玉に惹きつけられて、みんなニコニコしながら大宮さんについて行きました。
行われる場所と時間とテーマ以外、すべてがアドリブだった今回の「アートウォールオーケストラ」。三味線もダンスも事前の打ち合わせも練習もしていなかったのに、息がぴったりと合っていました。音楽とダンス、参加者と大宮さんが共に描く絵が徐々に完成していきます。
普段は地下鉄駅と東京ミッドタウンを繋いでいる地下通路も、この日ばかりはあらゆる場所がパフォーマンスのための舞台に大変身。最終回の場所は10段ほどの階段が、舞台を眺める座席に早変わりし、小さな劇場のような空間となっていました。
長い長い地下道『メトロアベニュー』に、完成した3作品が飾られました。まさにオーケストラが奏でた「アートウォール」に大変身! いつもとちょっと違った景色を、多くの方に楽しんでいただく素敵な時間となりました。