東京シティビューでは、9月7日(日)まで、「『銀河鉄道 999』50周年プロジェクト 松本零士展 創作の旅路」を開催中です。名作『銀河鉄道999』の発表から50年を記念し、2023年2月に星の海へと旅立った漫画家・松本零士氏の残した原画の数々を公開しています。
東京のビル群が一望できるエントランスでは、《出発のバラード》と題し、作中に登場する駅のプラットホームと銀河超特急999号のモニュメントがお出迎え。漫画を原作としたアニメーションの主題歌と映像をバックに、主人公・星野鉄郎、メーテルとともに記念撮影に参加すれば、写真入りのフォトカードをもらうことができます。"創作の旅路"にふさわしい、心躍るスタートです。
会場は3部構成になっており、「ゾーン1 歩みを刻む 零士メーター」では、年代順に作品の変遷を辿ります。手塚治虫氏の単行本デビュー作『新寳島』は、漫画家を目指すきっかけとなった思い出の品。さらに、中学生の頃に描かれた未発表の習作『虫の世界探検記』や、「漫画少年」第一回漫画新人王を受賞した投稿作『蜂蜜の冒険』など、幻の初期作品も公開されています。
プロデビュー後、少女漫画誌を経て、待望の青少年漫画誌などをメインに活躍。転機となった『男おいどん』(「週刊少年マガジン」連載)の原画は、作品の舞台となる四畳半の下宿を再現した空間に展示されています。主人公の生活を想像させる工夫が光ります。
幼い頃からアニメーションに憧れていた松本氏が夢を叶えたのは、本格SFアニメ『宇宙戦艦ヤマト』。本展では、アニメと同時展開されたコミックスの原画を展示しています。本作に続くテレビアニメ企画として松本氏が制作した『宇宙海賊キャプテンハーロック』の企画書には、キャラクターやメカニックなどが大きく描かれ、企画に対する情熱が見てとれるでしょう。
「ゾーン2 唯一無二の創作宇宙」では、代表作『銀河鉄道999』の旅路を振り返ります。永遠の生命に憧れ、機械の体を手に入れようと銀河に旅立つ星野鉄郎と謎の美女・メーテルの出会いを描いた第1話の原稿にはじまり、多様な星々で出会う生命との交流を原画で堪能できる贅沢なひと時。作品が問いかける"生命の意味"をじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
さらに、本展では松本氏が2020年頃に描いた『銀河鉄道999』の最終原稿を初公開。鉄郎、メーテルと対話する松本氏自身の姿が見られます。怪しげな黒い炎は一体何を意味しているのでしょう。今もなお銀河空間にいる松本氏に思いを馳せる一枚です。
そして、松本作品の特徴を「宇宙」「女性」「メカ」の3つの観点から紹介するコーナーも設置。青の濃淡を使い分けることで表現される宇宙の広がりと奥行き、金属の棒や網で白絵具をはじく手法で描かれる星々のきらめきは、見る者を引きつけて離しません。
松本氏が実際に使用していた画材も展示され、ペン先、インク、絵の具などを見ることができます。また氏のトレードマークである、額に赤いドクロのついた帽子と愛用の眼鏡も展示。使い込まれた道具からは、画業を支えた歴史が滲みます。
「ゾーン3 Artist Leiji Matsumoto」では、漫画のみならず、その独創的で芸術性の高いカラーイラストに焦点を当てています。『銀河鉄道999』『宇宙戦艦ヤマト』『わが青春のアルカディア』に代表される宇宙世界をはじめ、『男おいどん』『トラジマのミーめ』などのカラー原画も鑑賞が可能です。
他のエリアと異なり、ここでは壁一面が深い青色に。床には星のように輝く光が映し出され、まるで松本宇宙と一体になったような空間演出が施されています。一枚の絵だけで世界観を表現する松本氏が生み出した、色鮮やかな原画の放つ吸引力から目が離せません。
本展ではグッズも充実。パンフレットはもちろん、暑い季節にピッタリのTシャツや扇子をはじめ、マグカップにピンバッジなど様々なものが販売されています。
本展の鑑賞後にはぜひ、隣接するTHE SUN & THE MOON(Restaurant)にもお立ち寄りください。こちらでは『銀河鉄道999』からインスパイアされたオリジナルメニューを提供中。メーテルの黒い衣装と金髪をイメージしたぶどうジュース、宇宙空間と無限の旅を表現したフローズンカクテル、999号の食堂車でたびたび鉄郎が食べているビフテキを再現したボリューム満点の一品をいただけます。
コラボレーションメニューを注文すると、1品につき1枚の本展キービジュアルを使用したオリジナルコースターがもらえます。心ゆくまで松本世界に浸れる特別な時間をお楽しみください。
編集部 福島
「銀河鉄道 999」50周年プロジェクト 松本零士展 創作の旅路
会期:2025年6月20日(金)~9月7日(日)
会場:東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
主催:東京シティビュー
特別協力:零時社
協力:三映印刷
企画制作:東映、東映アニメーション
監修:表智之(北九州市漫画ミュージアム)
後援:J-WAVE、TOKYO MX、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://leiji-m-exh.jp/