東京ミッドタウン・デザインハブでは5月6日(火)まで、第113回企画展「はじめの一歩から ひろがるデザイン展 - グッドデザイン賞2024フォーカス・イシュー -」が開催されています。
グッドデザイン賞の役割の一つに、社会の可能性や課題の発見があります。この役割をより深堀りするため、2015年に「フォーカス・イシュー」の取り組みがスタート。今年で10年目を迎えました。
本展では、2024年度のフォーカス・イシューテーマ「はじめの一歩から ひろがるデザイン」に焦点を当て、齋藤精一、倉本仁、永山祐子、太田直樹、中村寛、林亜季の6氏による提言と、それに相応する最新のグッドデザイン賞受賞作を展示しています。
齋藤氏による提言「1.個人の熱量と能力(コンピテンシー)から始まるデザインに目を向ける」では、「モノのデザイン」と「コトのデザイン」が融合したデザインが求められる時代の到来を指摘。近年では課題解決のために「個の創造性」が重視されていることにも触れ、4つの受賞作を挙げました。
その一つが、2024年度のグッドデザイン賞で大賞を受賞した「RESILIENCE PLAYGROUNDプロジェクト」。障害の有無に関わらず誰もが遊ぶことのできる遊具を開発したもので、デザインや素材の検討過程、遊具のミニチュア模型が展示されています。
林氏による提言「6.アイデンティティを疑うことから始める」では、本当に取り組むべき課題とは何か、デザインが何のために存在するのか、存在意義を問い直しています。
一例として、捨てるところがないモノづくり(資源の完全循環)を目指すGeological Designは、車の廃材に着目。サイドガラスや鉄といった廃材が、伝統工芸品やアート作品に生まれ変わります。
3月17日(月)にはオープニングイベントを実施。フォーカス・イシュー・チーム6名による挨拶と、パナソニック ホールディングス株式会社 執行役員 デザイン担当の臼井重雄氏、富士フイルムホールディングス株式会社 執行役員 デザインセンター長の堀切和久氏、齋藤氏による鼎談が行われ、企業とデザインの在り方について語りました。
本展では「あなたが踏み出したいはじめの一歩」を問う壁面アンケートも実施。18のヒントを参考に、まずは気持ちを言葉にするところから始めてみるといいかもしれません。
編集部 福島
東京ミッドタウン・デザインハブ第113回企画展「はじめの一歩から ひろがるデザイン展 - グッドデザイン賞2024フォーカス・イシュー -」
会期:3月13日(木)~5月6日(火)
開館時間:11:00~19:00
休館日:会期中無休
入場料:無料
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ
企画:公益財団法人日本デザイン振興会、designing
グラフィックデザイン:平山みな美、澤田智穂
空間デザイン:西尾健史
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/fi2024