東京シティビューでは、5月25日(日)まで「手塚治虫『火の鳥』展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴-」を開催しています。本展は、手塚治虫氏が自らライフワークと宣言したマンガ『火の鳥』初の大型展覧会です。『火の鳥』の物語構造を新たな生命論の視点から読み解き、「生命とは何か」の答えを探求します。
本展は、プロローグから始まり、全3章で構成されます。会場に入ってすぐのエントランスは、『火の鳥』の世界観が表現されたシアタールーム「プロローグ 火の鳥・輪廻シアター」になっています。マンガの名シーンを床面やモニターにて楽しめるほか、エントランス中央には、いのちの象徴として描かれる火の鳥を動的平衡に重ね合わせたアニメーションが展示されています。
第1章「生命のセンス・オブ・ワンダー」では、手塚氏の生涯や『火の鳥』の歴史を、年表形式のパネルで展示。作品の時代背景を、マンガが掲載された月刊コミックマガジン「COM」の表紙パネルとともに辿っていきます。また、手塚氏が学生時代に描いた蝶の写生画や影響を受けた作品も飾られており、彼の発想の原点を垣間見られます。
第2章は、『火の鳥』主要12編を貴重な原稿で読み解く「読む!永遠の生命の物語」。手塚氏直筆の原画が、約400点展示されています。見渡す限り広がる『火の鳥』の世界観に、時間を忘れて見入ってしまいます。展示には、原稿のほかに12編それぞれの登場人物やあらすじを記載したパネルもあり、『火の鳥』を読んだことがない人も楽しめます。
第2章には、大阪万博(EXPO'70)フジパン・ロボット館で展示された「カメラロボット」の実物や、1970年の「週刊少年マガジン」などが登場。マンガが連載された当時の貴重な作品を、間近で見られます。
第3章「未完を読み解く」では、未完のまま終わった『火の鳥』の結末について、本展の企画監修を担当する福岡伸一氏が一つの答えを導き出します。また、現代美術家・横尾忠則氏が作品の結末を想像し描いた『火の鳥』は必見です。同ブースでは、横尾氏と福岡氏の対談映像を上映。『火の鳥』について語り合う二人を通して、マンガへの理解をより深められるでしょう。
来場者参加型のコーナーや特設グッズショップも併設されています。ショップでは、福岡氏が独自の視点で『火の鳥』を紐解く公式ガイドブックを会場限定販売。そのほか、マンガに登場する火の鳥のボールチェーンマスコットや『火の鳥』の名シーンがプリントされたステッカーなど、本展ならではのグッズを購入できます。こちらも要チェックです。
編集部 佐賀
「手塚治虫『火の鳥』展 -火の鳥は、エントロピー増大と抗う動的平衡=宇宙生命(コスモゾーン)の象徴-」
会期:2025年3月7日(金)〜5月25日(日)
会場:東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)
開場時間:10:00〜22:00(最終入館21:00)
主催:東京シティビュー
企画監修:福岡伸一
企画協力:手塚プロダクション、朝日出版社
後援:J-WAVE、WOWOW
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://hinotori-ex.roppongihills.com/