麻布台ヒルズ ギャラリーでは5月11日(日)まで「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」を開催しています。
本展は、ニューヨークを拠点としグローバルに活躍する松山智一氏の東京で初となる大規模個展で、日本初公開の作品19点を含む40点以上の絵画や彫刻作品を見ることができます。
さまざまなモチーフや視覚言語をサンプリングして作品に引用する"アプロプリエーション"という技法で知られる松山氏。冒頭では、その代表作《We Met Thru Match.com》が展示されています。
続く色鮮やかな空間では、《Fictional Landscape(仮想風景)》シリーズが登場。松山氏の世界観にいっそう引き込まれます。壁や床を彩る小物は、松山氏のスタジオにあるアイテムを3Dプリントしたものだそうです。
巨大な磁器のような人形が点対象で配置される最新のインスタレーション作品《Broken kaleidoscope》は、まるで不思議の国のアリスになった気分が味わえます。
先へ進むと、ホワイトキューブの中に大きな抽象作品の数々が出現します。特にニューヨーク・マンハッタンでパブリック・アートとして展示されてきた《Dancer》は圧巻です。
本展のタイトルでもある展示室5、新シリーズ《First Last》では、分断や対立といった問題が絶えない現代社会について、キリスト教をテーマとした西洋絵画を引用して捉え直します。一つひとつの作品にたくさんの要素が詰め込まれているので、ぜひじっくりと鑑賞することをおすすめします。
本展の関連グッズはギャラリーの外で販売されていますが、こちらも充実しています。図録などの一般的な商品のほかサテライト企画として、松山氏が国内のさまざまなクリエイターと協業した作品が展開・販売される「Tribute + Collaboration」が公開中です。
「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」のデザイナーとして知られる宮前義之氏と協業したコート&Tシャツ(4月5日より販売)や、駄菓子「うまい棒」の「げんだいびじゅつ味」など、注目の品々が展示・販売されます(A-POC ABLE ISSEY MIYAKEとコラボレーションしたコート、うまい棒《げんだいびじゅつ味》は完売)。
中でも、1つ10万円(税抜価格)・50個限定の「うまい棒」は、瞬く間にSNSで大きな反響を呼びました。社会通念上の価値の正体についてあらためて考えさせられる作品となっています。
麻布台ヒルズの中央広場には、屋外展示として3点の作品が期間限定で設置されます(4月末終了予定)。会場の外にも見どころの多い本展。ぜひお見逃しのないよう、隅々までお楽しみください。
編集部 齊藤
「松山智一展 FIRST LAST supported by UNIMAT GROUP」
会期:2025年3月8日(土)~5月11日(日) ※会期中無休
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)
開館時間:
月火水木日 10:00~18:00(最終入館 17:30)
金土および祝前日 10:00~19:00(最終入館 18:30)
主催:松山智一展 FIRST LAST 実行委員会
特別協賛:ユニマットグループ
協賛:インベストメントプロパティコンサルタンツ、ジャヌ東京、ジンズホールディングス、南山堂ホールディングス、Moonshot
協力:MATSUYAMA STUDIO
キュレーター:建畠晢(美術評論家・詩人)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.tomokazu-matsuyama-firstlast.jp