サントリー美術館で「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」が4月13日(日)まで開催中です。本展は、富山市ガラス美術館で2024年11月から2025年1月にわたって行われた展覧会の巡回展で、アール・ヌーヴォーを代表する工芸家エミール・ガレの没後120年を記念して開催されます。
フランス北東部ロレーヌ地方の古都ナンシーに生まれたガレは、父親の高級ガラス・陶磁器の製造卸販売業を引き継ぎ、ガラス、陶器、家具において独自の世界観を展開。輝かしい成功を収めました。本展では、3度のパリ万博を中心にガレの作品群を辿っていきます。パリ万博で実際に出品された作品をはじめ、フランスのパリ装飾美術館が所蔵する優れた名品11点らが一堂に会します。
本展冒頭では、プロローグとして若かりしガレの原点とも言える作品を紹介。第1章は、ガレの初期となる1878年パリ万博から1884年第8回装飾美術中央連合展にフォーカスします。
章の合間にはコラムを展開。コラム1では、パリでの販売を委託したデグペルス家にまつわる資料や作品が展示されます。特に、デグペルス家伝来資料の一部は2023年にサントリー美術館に収蔵されたもので、今回が初公開となります。
ガレが真の意味で輝かしい成功を収めたのは、1889年のパリ万博でした。第2章では、本万博で発表した黒色ガラスを活用した作品群が登場します。光の当たり方によってさまざまな表情を見せる黒色ガラスからは、生と死、闇など独特の世界観を感じさせます。
コラム2では、ガレとパリの社交界との繋がりを示す作品が紹介されています。作品を通じて、小説家や批評家など、さまざまな人物との関わりを感じられる構成となっています。
第3章では、フランス史上、最も華やかな国際舞台となった1900年のパリ万博にまつわる作品が中心です。
本万博でガレは、ガラスと家具の部門でグランプリに輝きます。ここでは、細やかな装飾が施された家具の数々も展示されています。ぜひ、細部まで注目してみてください。また、冒頭の《ランプ「ひとよ茸」》は東京会場のみでの展示となっています。
展示作品110件のうち、67件がサントリー美術館の所蔵品だそうです。サントリー美術館の多彩なガレ・コレクションを存分に味わえる機会となっています。
編集部 齊藤
「没後120年 エミール・ガレ:憧憬のパリ」
会期:2025年2月15日(土)~4月13日(日)
※作品保護のため、会期中展示替を行います。
※本展は10:00~11:00を撮影・会話禁止の「静寂鑑賞時間」としています。
※本展は10:00~11:00を除き撮影可能です。
開館時間:10:00~18:00(金曜日は10:00~20:00)
※3月19日(水)、4月12日(土)は20:00まで開館
※いずれも入館は閉館の30分前まで
休館日:火曜日
※4月8日は18:00まで開館
主催:サントリー美術館
協賛:三井不動産、鹿島建設、サントリーホールディングス
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2025_1/