東京ミッドタウン・デザインハブでは、2月23日(日)まで第112回企画展「もうひとつの表示」を開催しています。
本展を企画・運営する日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)のデジタルメディア委員会では、拡張されたメディアにおけるグラフィックデザインの特性と課題を考え、実験と思索を行なってきました。その発表の場として、本展ではさまざまな角度からグラフィックデザインの可能性を探ります。
展示作品は、3つに大別されます。会場入り口付近と中央に位置するのは、佐々木俊×北千住デザイン(クリエーティブコーダー/アーティスト)×最果タヒ(詩人)による「物理と仮想を対比することで見えてくる詩の可能性」。
拡張現実(AR)などデジタルメディアの特性を活かした6つの実験と、同じテーマの物理メディア作品を並置しています。2020~2023年に開催した「最果タヒ展」での展示作品を延長させた作品もあるので、ファンは要チェック。
たとえば上記の《詩はこんがらがる》の場合、物理作品は細長い紙の両面に詩が印刷されており、それが絡まっています。それを映すタブレットでは、ARで詩が表示され、画面の中でテキストがこんがらがっていきます。
そのほか、Meta Questを用いたり、AR上で身体に詩をまとったりと、仮想空間を全身で体感できる仕組みがたくさん。同じ詩でも表現方法が違うだけで、受け取り方が変わってくるのが面白いです。
永原康史×浜田卓之(スケートボーダー/東京藝術大学芸術情報センター)×フィリッポ・トンマーゾ・マリネッティ(詩人)の「音を支持体として音響詩を表現」では、8つのスピーカーを用いて立体音響空間を構築。音の方向にタブレットをかざすと、画面上に詩が浮かび上がります。
田中良治×谷口暁彦(メディアアーティスト/多摩美術大学准教授)×佐クマサトシ(歌人)の「文字とイメージを分けない表現方法の研究」では、スクリーンの前に設置されたトラックパッドを使ってホームページを閲覧します。
画面左側に短歌が表示され、水色でハイライトされた言葉をクリックできます。クリックすると右側に新しいページが表示され、新たに現れたハイライトをクリックするとさらに新しいページが登場します。
現実と仮想が入り混じった、視覚デザインの今を体感できる展覧会となっていました。小さな子どもでも楽しめる作品もあるので、家族で訪れるのもおすすめです。
編集部 齊藤
東京ミッドタウン・デザインハブ第112回企画展「もうひとつの表示」
会期:1月31日(金)~2月23日(日)
開館時間:11:00~19:00
休館日:会期中無休
入場料:無料
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
主催:東京ミッドタウン・デザインハブ
企画・運営:公益社団法人日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)
協力:富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/dm2025