TOTOギャラリー・間では、3月23日(日)まで「吉村靖孝展 マンガアーキテクチャ――建築家の不在」が開催中です。
本展では、吉村靖孝氏の7つのプロジェクトそれぞれをテーマに、7人の漫画家が短編を描き下ろしました。あえて、建築家個人の作家性を「不在」にすることで、どんな発見が生まれるのかを探っています。
タイトルにもある「不在」は、吉村氏が2年前に脳出血を患ったことに由来しています。プレスカンファレンスにて、吉村氏は「本展の準備と療養期間がちょうど重なり、建築家がいないまま展覧会を開催できるのか? という課題を感じました。試行錯誤した結果、漫画家の皆さんにご協力いただくことになりました」と明かしました。
会場奥の壁側では、コルシカ、川勝徳重、德永葵、三池画丈、宇曽川正和、メグマイルランド、座二郎の7氏がそれぞれ描き下ろした漫画を読むことができます。この作品は、本展の開催に合わせて刊行された書籍『MANGARCHITECTURE(マンガアーキテクチャ) 建築家の不在』にも収録されています。
中央には、漫画からインスパイアされた作品が集められています。この並び順は、本展ポスターのコマ割に合わせて配置したということです。
会場内には、吉村氏の愛読書も展示されており、近年読んだ本が中心となっているとのことです。近くにある椅子に座って、じっくり読むことができます。
3階と4階をつなぐ中庭は、吉村氏が使用するスケールフィギュアを原寸に拡大したものが並びます。学生時代(1990年代)から現在使用しているものまで時系列順に並んでいるため、時の流れの中でいかに進化したのかが一目でわかります。
4階には、吉村氏が手掛けた7つのプロジェクトの模型と設計図が展示されています。3階で読んだ漫画がどの建築にインスパイアされたものなのか、ここで答え合わせができる構成になっています。
プロジェクトの写真はあえて展示されていないため、漫画と模型から実際の姿を想像してみるのも、一つの楽しみ方かもしれません。
関連イベントとして、2月21日(金)には、吉村靖孝講演会「『建築家の不在』とは何か?」が開催予定。申し込みは2月9日(日)まで、参加費は無料です。
さらに、六本木未来会議では、吉村氏のインタビューも公開中。本展が開幕するまでの裏側や、吉村氏が建築の道に進んだきっかけなどについてお話を伺っています。こちらもぜひチェックを。
編集部 齊藤
「吉村靖孝展 マンガアーキテクチャ――建築家の不在」
会期:2025年1月16日(木)~3月23日(日)
開館時間:11:00~18:00
休館日:月曜日・祝日 ※2月23日(日・祝)は開館
入場料:無料
会場:TOTOギャラリー・間
主催:TOTOギャラリー・間
企画:TOTOギャラリー・間運営委員会
特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根剛
後援:
一般社団法人 東京建築士会
一般社団法人 東京都建築士事務所協会
公益社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部
一般社団法人 日本建築学会関東支部
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://jp.toto.com/gallerma/ex250116/index.htm