TOTOギャラリー・間では、11月24日(日)まで「大西麻貴+百田有希 / o+h展:⽣きた全体――A Living Whole」を開催しています。o+h(オー・プラス・エイチ)を共同主宰する大西麻貴氏と百田有希氏の個展で、彼らが手掛けた建築の模型やインスタレーションが展示されています。
GALLERY 1では「コンセプトの庭」と題し、これまで手掛けたプロジェクトの模型を展示。「生き物のような建築」や「なにをひとつとして捉えるか」など、o+hがプロジェクトを通して大切にしているテーマごとにまとめられています。
大西氏が描いた壁画にも注目です。これまで関わってきたプロジェクトが重なり合うように描かれています。それぞれにどのような意味が込められているのか、考えながら眺めてみてください。
プロジェクトの模型は、窓の向こう側にある中庭へ続いています。中庭の奥には《木漏れ日の小屋》が設置されています。屋根の青々しい木々は剪定時に切られたものを再利用されており、時間が経つにつれて枯れていく姿を楽しめます。
4階のGALLERY 2に向かうブリッジの手すりは《シェルターインクルーシブプレイス コパル》のプロジェクトで使われたもの。手すりが必要な子がいることを手すりの必要のない子どもに気づいてもらえるように、という意図のもと制作したといいます。
GALLERY 2はガラリと変わり、オレンジからえんじ色の4色のグラデーションの布で仕切られた細い廊下を進んでいく展示構成です。普段のTOTOギャラリー・間とは一風違い、絵本の世界のような幻想的な空間になっています。
中央には、これまでのプロジェクトのスタディモデルなどが並べられています。当時、実際に使用していたものをそのまま展示しているそうです。
なかには、2015年に21_21 DESIGN SIGHTで開催した「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」で展示された《コップの中の空間》もありました。
プロジェクトに取り組んでいる際は、文学からインスピレーションを受けているというo+h。会場内には、二人が普段参照している書籍や、小さい頃から読んできた本が展示されたコーナーもあります。
その前には、京都大学の学童保育所のためにつくった椅子と同じものが置かれています。大西氏は「実際に座っていただき、本を読んだり模型を眺めたり、くつろいで過ごしてもらえたら」と話しました。
o+hの建築といえば、絵本や小説に出てきそうなかわいらしいイメージがありますが、その世界観が余すところなく再現された展覧会となっていました。
編集部 齊藤
「大西麻貴+百田有希 / o+h展:⽣きた全体――A Living Whole」
会期:2024年9月4日(水)~11月24日(日)
開館時間:11:00~18:00
休館日:月曜日
入場料:無料
主催:TOTOギャラリー・間
企画:TOTOギャラリー・間運営委員会
特別顧問=安藤忠雄、委員=貝島桃代/平田晃久/セン・クアン/田根剛
後援:一般社団法人 東京建築士会、一般社団法人 東京都建築士事務所協会、公益社団法人 日本建築家協会関東甲信越支部、一般社団法人 日本建築学会関東支部
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://jp.toto.com/gallerma/ex240904/index.htm