東京ミッドタウン・デザインハブでは、6月23日(日)まで、第108回企画展「TOKYO WOOD TOWN 2040 山と木と東京 巡回展」を開催中です。
本展では、日本の豊かな森林資源を次の世代へとつなげるため、山と都市をつなぎ循環をもたらす様々なアイデア、技術を展示しています。デザイン、建築、都市開発の視点から、東京を「WOOD TOWN」にするためのヒントを探ることができる展示となっています。
戦後に植林されたまま、伐採されることもなく手つかずとなってしまっている木々たち。山を健全な姿に戻すために、都市に住む私たちに何ができるのかを考えるヒントを与えてくれます。
本展の見どころの一つが、木を使った建築技法の展示です。木材は、はるか昔から建築材料として活用されてきました。そんな木造建築物の歴史、技術について学ぶことができます。
木造建築の耐火、耐震技術は、私たちの住む東京にも活用されています。都心部を再現したパノラマは、私たちの暮らしのすぐそばに木造建築物があることを教えてくれます。
本展では、過去や現在の話だけでなく、今後どのように木材を有効活用した持続可能な都市を構築していくのか、未来に向けた具体的な構想も実例をもとに提案されています。
木材の活用方法は建築だけではありません。本展では、使い道のない木材を日用品や家具といった形で、私たちの日常に取り入れるための独創的なアイデアや技術開発の一端を見ることができます。
木材を使用した数々の展示品からは、樹種ごとに異なる香りや木目模様などのオリジナリティを楽しむことができます。木材本来の魅力を再確認することができるでしょう。
また、木材を活用した現代ならではの技術、アイデアにも触れることができます。ヒノキの木粉とプラスチックを融合させたバイオマスプラスチックで作られた食器からは、木特有の暖かみを感じることができます。
なお会場内でも、木材が有効活用されています。木製のパネルやテーブルのほか、展示物の土台に使用されるパレットは、森に放置されている小径木、枝、樹皮、葉をもとに作られているそうです。
会場に併設された無料図書館「リエゾンセンター・ライブラリー」では、今回の展示の関連図書を読むことができます。山を取り巻く問題と取り組みについて、さらに深く学びたい方は、ぜひ手に取ってみてください。
※6月の開室日は10日(月)、15日(土)、16日(日)、29日(土)、30日(日)。
現在の山と森を取り囲む問題を可視化し、木材を活用するための技術とアイデアに触れることができる本展。豊かな自然を次世代へと引き継ぐためのヒントを与えてくれるでしょう。
編集部 新原
「TOKYO WOOD TOWN 2040 山と木と東京 巡回展」
会期:2024年5月29日(水)~6月23日(日)
会期中無休・入場無料
時間:11:00~19:00
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
企画・運営:日本デザイン振興会
ディレクター:井上岳一(株式会社日本総合研究所 創発戦路センター エクスパート)、腰原幹雄(東京大学生産技術研究所 教授・NPO法人team Timberize 理事)、若杉浩一(武蔵野美術大学 教授・同ソーシャルクリエイティブ研究所 所長)
協力:
東京大学生産技術研究所腰原研究室
内海彩
共立女子大学建築・デザイン学部建築デザイン学科 古賀ゼミ+萩生田ゼミ(1/500都市模型製作)
エースジャパン株式会社/貫構法研究会/全国「くむんだー」木のジャングルジム協会(貫構造展示)
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.designhub.jp/exhibitions/twt2040hub