六本木のワコウ・ワークス・オブ・アートにて、6月29日(土)まで「私が死ななければならないのなら、あなたは必ず生きなくてはならない」が開催中です。
パレスチナ出身の詩人や画家の作品にフォーカスした展覧会で、キュレーションはオランダ出身の作家ヘンク・フィシュ氏が担当しています。彼の新作のほか、ムスアブ・アブートーハ氏の詩、画家スライマーン・マンスール氏の版画、ガザのためにアーティストたちが制作したポスターなどが展示されています。
日本からは、フィシュ氏と30年以上親交がある奈良美智氏が参加。新作が展示されているほか、入口から向かって右手の壁の展示構成は奈良氏が担当したといいます。
フィシュ氏は、本展を企画した理由について「パレスチナの人々の声を届けるため」だと話します。
「パレスチナでは今、多くの人が殺され続けています。そこで、アートの世界を拡声器として使うことにしました。本展を通じて、苛酷な状況下にある彼らについて、想いを巡らせてほしいのです」
政治的なメッセージをアートに込めることについては、「アートはすべてと密接なつながりがあります。社会的・政治的なメッセージと切り離すことはできません。私の出身地のオランダは植民地主義を推し進めてきた歴史があり、オランダ人として責任を感じています。そういった背景もあり、パレスチナ人のために何かできないかと思ったのです」と語りました。
本展のタイトルは、パレスチナの詩人リフアト・アルアライール氏が2011年に書いた詩の冒頭部分。2023年の11月にこの詩をSNSに投稿した彼はその翌月、イスラエル軍の空爆により命を落としました。会場内の壁に和訳とともに掲示されているので、ぜひチェックを。
ギャラリーの中央にあるテーブルの上には、パレスチナに関する資料や書籍、地図が置かれています。今起きている問題についてよく知らないという人は、ぜひ手に取ってみてください。
インタビューの最後、フィシュ氏は「パレスチナでは毎日アーティストが殺されています。ぜひ、本展を見てパレスチナの人々のことを考え、彼らにシンパシーを感じてほしいです」と語り、多くの人に関心を持ってほしいと呼びかけました。
編集部 齊藤
「私が死ななければならないのなら、あなたは必ず生きなくてはならない」
(英題:If I must die, you must live)
会場:ワコウ・ワークス・オブ・アート(六本木)
住所:東京都港区六本木6-6-9ピラミデビル3F
会期:2024年5月17日(金)~6月29日(土)
時間:12:00~18:00
休廊日:日曜日・月曜日・祝日
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.wako-art.jp/exhibitions/ifimustdieyoumustlive/