森アーツセンターギャラリーで6月2日(日)までテレビ朝日開局65周年記念「MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~」が開催中です。
ドイツ初のアーバン・アートと現代アートに特化した美術館として、2016年に開館したMuseum of Urban and Contemporary Art(以下、MUCA)。本展はそのMUCAからコレクション60点以上が展示されています。
開幕前日のトークセッションに登壇したMUCA創設者のクリスチャン・ウッツ氏は「本展は、これまでアートに親しんでこなかった人にとって、よい入口になるでしょう。一方で、アートに造詣が深い人は、その価値観が再定義される機会になるかもしれません」と、知識に限らず誰もが楽しめる内容になっている旨を語りました。
本展の見どころは、なんといっても世界的に有名な素性不明のアーティスト、バンクシーの作品が多数見られること。イギリスに期間限定でオープンしたディズマランドで公開された《アリエル》やステンシルアート、油彩画など、18点が集結しました。
特に2017年にイギリスで最も好きな絵画に選ばれた《Girl With Balloon》と、それをバンクシー自ら仕掛けたシュレッダーによって作品の半分が裁断されたことで注目を浴びた《Girl Without Balloon》(2018年)は必見です。
バンクシーのほかにも、著名なアーティストの作品が多数展示されています。日本でも人気の高いKAWSの彫刻作品《4フィート・コンパニオン(ディセクテッド・ブラウン)》は、会場に入ってすぐ見られます。
ストリート・アーティストでグラフィックデザイナーのシェパード・フェアリーは、アイコン的な著名人を題材とすることで有名。本展では、ジミ・ヘンドリックスやマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師らを描いた作品を見ることができます。
ピクセルアートを製作するストリート・アーティスト、インベーダーの《ルービックに捕まったシド・ヴィシャス》は、よく見るとルービックキューブで作られていることがわかります。
「ストリート・アートのゴッドファーザー」と呼ばれるリチャード・ハンブルトン。本展に出展しているアーティストの中では、残念ながら唯一の故人です。ニューヨークの路地に、警告の意味で描いたダイナミックな人影は謎の男「シャドウマン」と呼ばれ、最終的にはリチャード自身がシャドウマンと呼ばれるまでになりました。
特徴的な作品で知られるスウーンは、古典美術史やおとぎ話、神話、民話からヒントを得て制作しています。本展で見られる《アイス・クイーン》と《シルヴィア・エレーナ》は、作品の素材も一風変わっています。ぜひ近くで鑑賞してみてください。
フランスのストリート・アーティストで写真家のJR。社会的な関心を集めるプロジェクトを多数展開しており、本展でも考えさせられるテーマの作品が出展されています。
国際的に有名なアーティストの代表作が一堂に会する本展。間近で見ることで、新たな発見や気づきを得られることでしょう。
編集部 齊藤
テレビ朝日開局65周年記念「MUCA(ムカ)展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~」
会期:2024年3月15日(金)~6月2日(日)
※会期中無休
開館時間:10:00~19:00(最終入館18:30)
金・土・祝日・祝前日・GW(4月27日[土]~5月6日[月]):10:00~20:00(最終入館19:30)
休館日:会期中無休
会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
主催:ICONS of Urban Art東京制作委員会
輸送協力:Lufthansa Cargo AG
企画制作:Museum of Urban and Contemporary Art(MUCA)
後援:ドイツ連邦共和国大使館
公式サイト(URLをクリックすると外部サイトへ移動します):
https://www.mucaexhibition.jp/